6章 再びダンジョンへ

第22話 無事にタイムスリップ

 「ねえ。ねえったら」

「は!ここは・・」ちいはキョロキョロした。

「どうしたんだい。ちいたん」キューが不思議そうにしていた。

ちいは無事にタイムスリップできたのだ。みんなが出発する間にもどった。

コングと酒場の店主が話している。

「おい。そこの人。美味しい酒が入荷したよ。席もある。飲んでいかないか?」

「いや。俺は酒はやめているんだ・・」

「ウイスキーがいいのがあるよ。ワインも新鮮だよ。美味しいよ」

「う~ん。おいしそうだな」

「ダメ!コング!お酒飲んじゃダメ!」

「ちい。どうしたんだ。そんな怖い顔して」

「このお酒を飲むと、大変な事になるのよ。お願い。やめて」

「分かったよ。やめておくか」

「よかった~」ちいは安堵した。

「キュー。ちょっとついてきて」

「え?どこ行くの?」

「いいから」ちいはミンクー賭博場へ向かった。裏口から入った。

「ちいたん。勝手に入っていいのかい」

「何だ。お前たちは。子供とブタじゃないか」

「キュー。ゴールドクリスタルを出して」

「え?何で?」

「いいから」

「ゴ、ゴールドクリスタルを・・これを?」

キューはゴールドクリスタルを出した。

「これをあげるから、剣ミンクーを逃して下さい」

「にせものだろう?」男達は不審ふしんがった。メガネをかけた男が、

「ちょっと失礼」ゴールドクリスタルを虫眼鏡で鑑定した。

「うむ!これは本物だ」皆は歓声を上げた。

「いいだろう。ゴールドクリスタルなら十分だ。剣ミンクー30匹を全開放しよう」

「す、すごい」キューはびっくりした。

「ちょっと、すみません」ちいはポルサに駆け寄った。

「あのね。くわしくはあとで話すけど、一緒に来てくれない?」

「無事に戻れたね・・僕も戻った・・機械で・・」

「え!そうだったの!」

「なんの話し?知り合いの剣ミンクーなの?」

「帰ったら話すわ。みんなのところへもどりましょう」


 ちい達はみんなのところへ戻った。そしてみんなにミンクーの国に行ったこと。過去へ行った事を話した。みんなは注意深く聞いていた。

その日は、ちいの話を夜遅くまで聞いて、皆は宿で過ごした。未来は変わったのだ。

あくる日、魔女はちいに言った。

「私にひとつ考えがある。本に吸い込まれる魔法を使ったのは確かだね?」

「うん。ジルとコングが吸い込まれた」ちいが言った。ジルは、

「やはり、このダンジョンを抜けるのが、一番良い。山を登るのは、ちいやキューには難しい。そんなやっかいのがいるのは、大変だが」

「大丈夫か?ちいの話だと全滅しかけたそうだが」とコング。

「大丈夫。逆にやり返すわ。ちいがまた怖い思いするのがかわいそうだけどね」と魔女。

「こわいけど、がんばる」とちい。

「よし。午後からダンジョンへ向かうぞ」コングが言った。

ちいとキューはたいまつを買いに雑貨店へ向かった。キューは、

「僕がそこの国に居る時は、人間だったんだね」

「そうよ。いつも満月の国で、キューの魔法が解けていたわ」

「ブヒ!いいなぁ。なんで僕はブタになるんだろう。嫌になるよ」

「きっと魔法が解ける日が来るよ」ちいが慰めた。

「でも、かっこよかったな。戦車に乗ったキュー」

「え!そうか。戦車に乗ったんだよね」

「うん。すごく上手にのっていたわ」

二人は雑貨店に着いた。

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