ーepisode zero_eight
『三千八百年 十月三十一日 藍沢』
「やっほ!先生」
面談の為病院の中へ入ろうとしていた時、後ろの方から声が聞こえた。
自動ドアが開いたが気にせず後ろを振り向く。
そこには凪海花が居た。
元気そうでなにより。
こちらを見て手を振っている。
「!」
咄嗟に俺は鞄をその場に捨てて走る。
「おい、大丈夫か?」
「うーん……ちょっと走りすぎちゃったのかな」
ははは、と凪海花が微笑する。
その瞬間まで全く気づかなかった。
こちらに歩み寄ろうとした凪海花が突然崩れた。
フラっとしたものだから慌てて駆け寄るとそのまま地面に崩れ落ちそうになったから瞬時に支えた。
「どうかしました?」
先程までドア付近の受付に居た看護師が顔をのぞかせる。
「あら!凪海花ちゃん大丈夫?勝手に外に出たらダメですよ」
*
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