詰め込まれる生クリーム(下)

かなり重くなってしまった鞄とストレスで重い体を引き摺りつつ這う這うの体で家まで帰る。家に帰って一休みしたら帰ってきた彼氏と実食である。

もう何もしたくないので彼氏にねだりパンにバターを塗ってもらい生ハムを乗っけてもらう。スーパーのはじで毎日焼かれているバケットは外側はカリッと中はもちもちだ。顎が弱いのでちぎりながら食べ進める。生ハムとバターはこんなに合うものだったのか。これならクリームチーズもいらなかったかもしれない。このバターはミルク感が強いのもあって塩味より甘味が立つ。さらにいえばこの生ハムは当たりだった。いつも買ってるものよりむっちりしていて美味しい。

あっという間に食べ終わってしまった。彼氏はもう私が次に食べるパンを用意している。今度はクリームチーズらしい。こっちは安定安心の組み合わせだ。ウェルチによく合う。ウェルチを見た彼氏が嬉々として酒を持ってきて簡単なカクテル?サワー?を作ってくれた。ストレスは酒には溶けないと言い張ってたのにこのザマだ。私の幾千とある弱点のうちの一つ、食に対する探究心のせいである。濃いウェルチが好きなのだが炭酸と酒で割ったウェルチも悪くない。さっぱりしてパンにすごく合う。スープでも用意すれば完璧だったかもしれない。ストレスのせいか食欲が落ちてるのか2切れでお腹いっぱいになってしまった。彼氏の方は好物のバケットとあって残りを全て平らげてくれた。ロールケーキはまた明日かな。

本日は朝からロールケーキを食べるという暴挙を犯そうと思う。お供は昨日のあまりのウェルチ。大きめサイズを買ったのでまだ半分近く余っている。四切れ入りの大きめのロールケーキを一人で食べきろうという魂胆なのだから食いしん坊としか表しようがない。早速フォークを端っこに差し込む。クリームより生地のほうが多いがそこはご愛嬌、早速口に放り込むと思ったより卵感が強い。ふわふわとした生地なのにどこかどっしりした雰囲気を感じるのは卵の風味が強いからだろうか。生クリームは生地に比べてあっさりめで良い。これはウェルチよりコーヒーの方が合うだろうな。まあそんなもの用意できる余裕はないので諦めて真ん中の生クリームがたっぷりのところに取り掛かる。しあわせ…生地より生クリーム多めの方が比重として正しい気がする。生クリームの方が軽いから尚更。

残り一切れにして若干胃がキツくなってきた。元々薄味健康志向の家で育ったので生クリームを大量に食える体質をしていないのだ。それでも食べたくてこうしてアホなことをしている。かくなるうえは一旦休憩だ。大抵のものは休憩を挟めばどうにかなるとばっちゃが言ってた。私の中にいるイマジナリーばっちゃだ。

できることなら全ての食べ物を毎回最大限美味しく食べてあげたいのだがそうもいかない。美味しくないものは美味しくないし、ストレスで味覚は鈍るし過食だってしてしまう。ストレスを溶かすために生クリームを摂取するという自分的には「良い食事」ではないことによく手を染めてしまう。今日も病み期特有の諦観に苛まれながら満腹の胃を抱えて眠りにつく。明日も美味しく食べれますように。

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今日も食らって生きていく 朔月 @Satsuki_heat

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