第16話 カレー魔法の正しい使い方(2)
「まったく、こんなに
とはパール。いつの間にか俺の近くに立っている。
しかし、その手には『焼きチーズカレー』を持っていた。
ちゃっかり食べているらしい。
「食べないなんて、
モグモグ――とラッシー。こちらは口いっぱいにカレーを
食べるか
『焼きチーズカレー』を気に入ったのか、ご
そこ、食べ過ぎないように!――と注意をしておく。
(やれやれ、困ったモノである……)
今回はハンバーグを乗せているため、カレーには酸味のあるトマトを使ってみた。
また、トマトと相性のいいズッキーニも一緒だ。
食感の
高血圧やむくみ対策になる『カリウム』を
更にカレーの上には『4種類のチーズ』をたっぷりと乗せている。
火加減によっては出来上がりの際、味の
(だが、今回は
焼けたチーズの香ばしさは
とろっとしている
(俺もまだまだ、だな……)
反省する俺に対して「それで」とオロール。
「いつまで『くっついている』つもりなのですか?」
と
エレノア嬢にではなく、俺に対してのようだ。
背中に寒気を感じたのは、気の
「魔力
カレーを食べさせてやってくれ――俺はラッシーに視線を送る。すると、
「分かったです♪ わん!」
そう言って、ラッシーはハンバーグをフーフーした。
そして、エレノア嬢の口へと突っ込む。
パールといい、ウチの従者はどうして、こう
んぐっ!――とエレノア嬢。ラッシーの外見だけなら可愛い犬耳少女だ。
油断していたらしく「回避は難しかった」と見える。
「ハンバーグとチーズのコンビネーションが絶妙なのです! わん♪」
とラッシー。
「更に、ここでカレーです! わん♪」
先程と同様に、エレノア嬢の口へとカレーを投入する。
「肉とチーズの
ラッシーはそう告げた後、クリクリとした瞳でエレノア嬢を
なかなかに否定し
最初は
「ホントだ……」
一方で、取り巻きたちも起き上がり始めた。
立ち込める『焼きチーズカレー』の
グゥ~!――と誰かの腹の音が鳴る。
「魔力は回復しましたか?」
俺の問いに「ああ」とエレノア嬢。初めて感じる不思議な感覚なのだろう。
カレーには人を元気にする力があるのだ。その一方で、
「立てるようになったみたいですね……」
では、早く離れてください♡――とオロール。
穏やかな表情だが、俺の感じている寒気は一向に消える気配がない。
「エレノア様っ!」
と数名の取り巻きたちが近づいてきたので、俺は彼女たちにエレノア嬢を任せることにした。俺がエレノア嬢から離れると「フゥー」とオロールは
どうやら、心配させてしまったらしい。
「ご無事ですか?」
とオロール。
女性として意識してしまうので――
(そういうのは、
「俺の方は大丈夫だ……」
魔法でカレーを創っただけだしな――と報告する。だが、
「普通は魔法でカレーを創ったりしません!」
とオロールに返されてしまった。
(
いや、それよりも、
「オロールの方も大丈夫みたいだな……」
パールとラッシーを守ってくれてありがとう――と俺は礼を言う。
すると、ぱぁっと花が咲いたような笑顔になるオロール。
「それは『私がカリオくんのお役に立てた』という事でしょうか?」
いきなり顔を近づけ、やや
その
しかし、オロールには気にした様子がなく、それどころか、
「つまり『私が必要!』『これからも一緒にいたい!』『
と言葉を続ける。
「オロールが
俺は肩を
するとオロールは俺から離れ、大地神へと
「苦労するな」
と
先程から
(この俺だけ分かっていない感じは……)
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