第19話 母の過去 (暗い)

「それで…僕達どうしようか。」

結界を張ったのは良いけどずっと私達は流されている。

「僕としてはこのままでも良いんだけど…。」

そんなことを言いながら回復魔法で治してくれているエンヴィーさん。

…。ずっと怪我をいていれば私だけを見続けてくれるのかな。

一瞬そんなことを考えてしまった。

エンヴィーさんのお母さんも最初は怖かったのかな…?

逃げたくて逃げたくて仕方なかったのかな。

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「だ、誰…?」

少女は屋敷の使用人達を両親も殺し、婚約者も殺そうとしている友人を見てしまった。初恋の人を殺害されそうになって嬉しいはずがない。

少女は少年を止めようとした。

「止め…」

「俺、ずっと許せなかったんだよねー。」

少年は婚約者の首から手を離し、少女を殴り始める。

「痛っ…」

「愛してる。大好き。いつも俺のこと友人だと思って笑っているところが憎くて可愛らしくて好き。だけど俺には見せてくれない表情をあいつにしか見せてくれないんだから…。」

「痛い…。嫌…いや…やめで…だすげ…」

少年は笑顔で少女を殴り続ける。

死なないように手加減をしながら。

少女は血だらけになっても泣きながらも婚約者が生き残る方法を考える。怯えながらもずっと。

「またその視線っ!」

少年は手加減が出来ずに少女を殴りつけてしまった。

少女はその痛みに動けなくなり、死ぬことへの恐怖に震える。

「ああ。これ以上は死んじゃうね。これでは婚約者のことも考えれないみたい。良かった。これで僕だけのものだ。」

殺してやる…。絶対に…。涙を流しながらも、恐怖も絶望もその眼にはあった。

しかしもう婚約者なんて考えられる余裕は無くなっている様子を見た途端、少年は笑顔で婚約者も殺してしまったのだった。



ー?年後

「ああああ…あいつの人の子供なんて要らない!嫌!嫌あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

精神は壊れても少年への殺意は残っていた

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