第12話 拾われていなかった未来 鬱?

①「リーファ貴女への客よ」

「本当?嬉しいです。また来てくださったんですね!」

ああ。本当につまらない。

「えへ、えへへへ。リーファちゃんに会うために、俺頑張ったんだ…。だから、だから…!」

「やった~!私楽しみにしていたんです!」

気持ち悪い。どうして私はこんな人に転生したんだろう。

好きでもない男性に抱かれ続ける。

獣人で体が強いからといって毎日は疲れたや。

来るのはモテなくて金があるおじさんか、女好きの男ばかり。

どう思ったって帰れはしない。


ある日窓から少年の姿が見えた。

その少年は綺麗な顔をしていて、それにお金にも困っていなさそうだった。

「いいなあ。あの子になりたいや。」

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「執事、あの子は?」

「ああ、リーファです。娼館に売られて自由を失っているんだとか。」

ああ。あの子は僕とは違いいろんな人に愛されているんだな。

僕は憐れまれてばかりだ。

あの子になれば父様と母様も愛してくれるのだろうか。


「リーファお前はまた売れ残りか…。」

「すみません…。」

奴隷売りの人は言った。私が売れるかもしれない場所があるって。

その瞳はとても愉快なものを見る目をしていた。

それがわたしには怖かった。

「ほれ。今日だけは焦げてないものを食わせてやる。」

まるで最後のように。

そのご飯は美味しかった。だけど食べたとたんに私の意識はなくなった。

起きた時には体中に痛みが走った。

「嫌ああああああああああ!」

「暴れるな。お前の綺麗な毛並みが血に染まるかもしれないだろ!」

怖い…!止めて!死にたくない!

お母さん…っ!家に帰らせて!助けて!!!

「お母さん…。」

「お前の母親は殺したぞ?奴隷にする前にな。」

え?リーファとしての母親なのか、お母さんがこちらに転生してそのまま殺されたのか分からなかった。怖い。私も死ぬの…???

でも、お母さんにまた会える…。

「暴れるなよ。すぐに加工してやるからなっ!」

そこで私は死んでしまった。




「っ⁉⁉⁉あれ?夢?」

「大丈夫?顔が真っ青だけど。」

エンヴィーさん?

なんか今の状況が一番安心な気がしてきた。

「私加工される夢見ました。」

「うわあ。悪夢だね。僕が一緒に眠ってあげようか?」

冗談でもありがたいな。

「私の部屋でならお願いしたいです。」

「⁉わ、分かった。」

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