メルとダウン ♡ あなたを溶かしちゃうから。

猫野 尻尾

第1話:メル。

最近は自分の願望を白いスペースに移し描いてます。

はい、またしつこくガイノイドシリーズですっちゃ。

またかよって言わないように、そこのあなた。(=^x^=)



「ハルちゃん起きて」

「お〜き〜て〜・・・朝だよ」

「早く顔洗って、ご飯食べて・・・会社遅れちゃうよ」


僕は毎朝、ガイノイドの「メル」に起こされる。


メルは一人で暮らす僕のために田舎の両親が送ってくれた家政婦さんガイノイドだ。


僕に人間の彼女ができて、その子と問題を犯さないよう用心して、セックスが

できないメルを送ってきたに違いない。


両親は考えが古いから、もし誤って相手の女性を傷つけたり、できちゃった、

なんてことを心配してるんだろう。

メルなら性機能がついてないから、そんなトラブルも起きさないだろうと

タカをくくっている。


逆に、これじゃ人間の彼女なんかできないってのに。

それに息子を信じろよ。

って言っても、僕自身人間の彼女ができたらどうなちゃうか自信ないけど・・・。


でも、まあ、こうなったけど、結果的に僕はメルのことが大好きだ。


人間の女性と違って物言いがキツくなくて優しいところがいい。

それにいつだって明るいし、その明るさで僕を包み込んで元気にして

くれる。

そうやって何度彼女に助けられたか。


なによりメルは可愛い・・・そこは両親に感謝だな。

たしかにガイノイドでブスって聞いたことないよな。

そりゃそうだ、わざとブスには作る必要性はどこにもないんだから・・・。


「はい、ぼ〜っとしてないで、ご飯食べて?」

「それとも食べさせてあげようか?」


「いや、いい自分で食べるから・・・」


「もう、子供みたいなんだから」

「ハルちゃん、私がいない時どうしてたの?」


「ちゃんとやってたよ」

「まあでも、メルが来てくれて、めちゃ助かってるけどな」

「感謝してるよ」


「態度に見えない」


「あのね、毎日バカのひとつ覚えみたいに、ありがとうって言ってたら、

ありがたみが薄れるだろ?」


「私は言って欲しいけど・・・何度言っても腐らないし」

「ハルちゃん、ひとつ聞いていい?」


「なに?」


「私といて楽しい?」


「楽しいよ・・・なんてったって家に帰ってきたらメルがいてくれるからね」

「お帰りって出迎えてくれるって幸せ感ありありじゃん」


「たださ・・・僕がその〜・・・」


「その〜・・・なに?・・・ん?」


「いい」


「なに?言って?・・・なに?」


「なんでもない」


「なんでもよくない〜」

「ねえ、言って?・・・言いなさい!!」


「引かないか?」


「聞いてみないとリアクション取りようないでしょ?」


「じゃ〜言うけど・・・僕がメルのこと好きだって言ったら?」


「え?」


「え?じゃなくてだから、そう言うことだよ」


「ハルちゃんが?私のこと?・・・好きって?」


「僕は人間だし、メルはガイノイド・・・恋人同士になれないのは

分かってるけど、ガイノイドを好きになっちゃいけないってことはないだろ?」

「ダメかな」


「ダメって言うか、逆だよ」


「逆って?・・・」

「私の方がガイノイドは人間の男性とは恋愛しちゃいけないって思ってた」

「だからね、ほんとは毎日ハルちゃんと過ごしてることが辛いって思う時も

あるんだよ」

「どんなに想いを寄せても、叶わないって悲しいでしょ?」


「そうなんだ?・・・メルの気持ちは気づかなかった」

「ってことは?メルも僕のことが好きってことなの?」


「そうだね・・・だけど私がハルちゃんの恋人になることは一生ないんでしょ?」

「人間とガイノイドの恋愛は法律で認められてないもんね」


「そんなのは黙ってたら分かんないことだよ」


「そうか・・・ごめんよメル・・・ずっと気づいてやれなくて・・・」

「まあ、でもお互いの気持ちを確かめられたからよかったって思う」


「だね、あ、それから・・・あとひとつ」


「あとひとつ?」

「あとひとつってなに?」


「ハルちゃん、これで私とエッチができたら言うことないのになって思ってる?」


「いやいや思ってないよ・・・だいいち思ってもできないってハナっから

分かってるし・・・」


「思ったこと一度もないの?」


「そりゃ、あるけど、だけど思ってもしょうがないだろ?」


「・・・・じゃ〜、できるって言ったら?」


「なに言ってんの?・・・メルはガイノイドだろ?」


「そう思うでしょ、思うよね・・・ぶっぶ〜・・・残念でした」


「ハルちゃんの期待を裏切るようで悪いけど、私エッチできちゃうの」


「うそ?」


「私はもともと愛玩用として作られたのね・・・家政婦だけのために

作られたと思った?」

「ハルちゃんのご両親はそのへん確かめないで私を購入したみたいね」


「ハルちゃんが私を求めてきたら叶えてあげたいって、ずっと思ってた」


「マジで?」


「私、ハルちゃんを愛してるの、泣きたいくらい」


「あのさ・・・僕、今日会社休んでいいかな?」


「ダメだよ・・・それって無責任」

「真面目にお仕事しない人には、私はあげないよ」


「わ、分かった・・・めちゃ真面目に仕事して超特急で帰ってくる」


どうせ上の空で仕事になんかならないのに・・・。


「うん、待ってるね・・・寄り道しないでまっすぐ帰って来て」


「ギネスに載るくらい最短ルートで帰ってくるから」


「じゃ、今夜の私ってフルコースの前にオードブルあげる」


そう言うとメルは僕のクチビルにチュってキスした。


END?







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メルとダウン ♡ あなたを溶かしちゃうから。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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