第2話魔物の登場

「ほら飯だぞ」

「わ~い」

街を出てから7~8時間は立って周りは暗くなってきたので、俺とアルズはテントを立てて休むことにした。

「かなり歩いたが、体は大丈夫か?」

「いつも言ってるけど心配とかしなくてもいいんだよ?私は奴隷だし」

「そうだな」

アルズともう一年近く居るせいか、情が移ってきている。

周りの同業者たちはどんどん辞めてって、俺の周りには一人もいなくなってた。

皆辞める時は、最後の奴隷と結婚するか、奴隷が魔物やら病気やらで死んで辞めるのが殆どだ。

「おーい」

俺も……これ以上情が移る前に辞めた方がいいのかな……。

「おーい!」

「なんだよ!いきなり耳の近くで叫びやがって!」

「そっちが無視するからじゃん!」

「考え事してたんだよ……で、なんだ?」

「あれ」

アルズの指差す方を向くと、そこには一匹の魔物がいた。

「ホブゴブリンじゃないか」

「一匹だけだからよかったね」

「ああ」

ゴブリンは言わずと知れた雑魚モンスター、ホブゴブリンはその上位種だ。

「あいつ面倒なんだよな」

「動きは鈍いけど、一発一発の威力がすごいんだよね~特に他にゴブリンがいる時がめんどくさい!」

「今回は一匹だけだ……そこまで気にしなくていい。俺が注意を引くから、そのうちにお前のダガーでとどめは頼むぞ」

「うん」

軽い会話を交わした後、二人は眼前の魔物へと向かっていった。

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