第8話 エピローグ

土星の和が奏でる追憶は少しずつ遠ざかっていく気がした。気が付けば、天王星、海王星、そして冥王星・・・。

冥王星は、現在では惑星から準惑星に格下げされているが、古くからその存在を知られており、エッジワース・カイパーベルトと呼ばれるドーナツのように周りに天体が密集している空間の中に位置している。そして、その外側にはオールトの雲と呼ばれる彗星や小惑星が点在する太陽系の外殻が存在しているらしい。


量子力学で扱うミクロの世界には、トンネル効果という粒子と波動の二重性により通常超えることのできないエネルギー障壁を超えてしまう物理現象が存在する。そして、広大な宇宙に浮かぶ無数の天体もミクロの世界と類似する現象を示すかも知れない。


ホルスは宇宙の波動を受け共振しそれが大きく増幅されて行くのを感じていた。その先には冥界が広がっているのだろうか。

ホルスが再び覚醒すると、そこには千の風が吹き渡っていた。

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ホルスの千夜物語 育岳 未知人 @yamataimichi

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