第4話 戦力外のあほ

たけしは翌日けいたろうのもとを訪れた。留守だった。しかし訪れたのはけいたろうの家ではない。正確には墜落山田の家が留守だった。


墜落山田というのは高校時代の山田のあだ名で、高校時代にたけしが山田のパンをベランダから放り投げた時にちょうど山田の親の乗った飛行機が墜落したことがきっかけでそう呼ばれている。昔、本人はそう呼ばれるたびに発狂し教室中を駆け回っていたそうだ。

 

こうたろうは、ゆうじろうの家には行ってない。それは当然である。


たけしはけいたろうの家を間違えたのかあえて行かなかったのかは分からない。


ただ一つだけ言えること、墜落山田は留守だった。






山田が留守だった日から6年の月日が流れた。





「けいたろう~!!いるか!?たけしだ!」


「おう、たけしか。久しぶりだな!!俺、たけしが来た時はいることになってるから。ゆうじろうの時はいない、磯山の時は熱がある、山田の時は死んだっことになってるからさ。」


「そこまでぶっちゃけないでもいいよ。」


「腹割って話しましょうよ!」


「腹割るのは良いけど腹黒すぎるよ。」


「ハッハッハッッ!それ笑うとこなんでしょ。いつも難しいんだよなあたけしの笑いはさ〜」


「全然笑うとこじゃないし、笑ってるし。」


「今日はお前、忙しい俺にいったいなんの用事があるんだよ?」


「忙しいところ悪いな!そう、話ってのはだな・・・俺が昔口癖のように言ってたこと、実現しようと思って。」


「口癖?ああ~「ダリぃ。」か?」


「もっと悪いこと。」


「おい、パン買ってこいよ!」


「もっとあっただろ、悪いこと。」


「女の子に俺の乳首甘いから舐めてみてってやつ?」


「いやそれは本当に甘いからしょうがないもん。」


「ああ、まさか!?」


「そう」


「あの例の!?」


「そう」


「あの壮大な!?」


「そうそう」


「かつ絶妙な!?」


「そうそう」


「また巧妙に!?」


「うん。はやく言ってくれたまえ」


「・・・」


「俺は殺人に加担しないぜ。メガネ掛けてるし。」


「メガネ関係なくね〜」


「人殺す時メガネ外すでしょ?」


「そうかな?」


「外したメガネ現場に置き忘れたら一発アウトよ!」


「そうだな。来週の月曜日7人で打ち合わせする。」


「あの7人でっ!!?俺は入っているのか!?」


「入ってない人に入ってる7人の打ち合わせ日わざわざ言わなくない!」


「わかった。コンドーム磯山と破廉恥三宅は俺が何とかする。」


「あっ!破廉恥三宅いいわ、富士まん(富士慢性鼻炎)にしよう。」


「えっ!なんで富士まん?いつも破廉恥三宅だったじゃん。」


「今回は違うんだ・・・」


「何が違うのかさっぱり分からんが・・・こいつの顔は・・・」


けいたろうは心の中で思った。


こいつの顔は


戦力外だと。


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