第3話 思い出の場所に集うあほ
山野たけしは高校時代の親友、工藤こうたろうと5年ぶりに再会し、喫茶店でがっつり腹をふくらましていた。
「たけし最近どうよ?相変わらず「殺人とは」にこだわってんのか。」
「そうだな。俺の永遠のテーマだからな・・・。そう言えばこの前さ〜超いい通販みつけてさ。」
「なにそれ?」
「足首と手首に巻く物なんだけど、重りがついてて鍛えられるんだよね。それが最高に良いんだよね。」
「へぇ~。お前そんな鍛えたりするタイプだったか?」
「いやそれがさ、一週間試して買わなければ返品できるっていう制度なんだよ。無料だよ。」
「よくあることだよ。一週間は無料って安心させて結局は解約するのも面倒だしずるずる続けちゃうって人を狙ってね。」
「俺は返したけどね。」
「えっ!?なんで?気に入ったんじゃないの?」
「うん。すごくいい一週間でしたって返した。」
「お前すげえな。」
「一週間でだいぶ鍛えられたからな。もとはとれたと思うよ。」
「もとなんてねえだろ。」
「ほら、よく言うだろ、プリンは冷めないうちにプッチンしろって。」
「お前からしか聞いたことないけど、確かにな。」
「そういえば、ゆうじろうは元気?」
「ちんこ汁の勢いがいつもより元気ないって言ってたかな。それとちんこも。」
「ゆうじろうのちんこ汁が!?」
「うん。それからちんこも。」
「ゆうじろうのちんこ汁の勢いはあいつの生命線だろ。やばいだろ。」
「そうなんだよ。あとちんこもな。」
「ちんこ汁の勢いはなかなか戻せないからな。それは本当にやばいぞ。」
「うん、本当にやばいな。あとちんこもな」
「いやちんこどうでもいいから!!!。」
「いや俺もそう思ったけど、聞こえてないのかと思って。」
「聞こえてないときは聞こえてないって言うから!!」
「無理だよそれ。」
山野たけしはこの時、こうたろうとゆうじろうが同一人物であることを知らなかった。
なぜこうたろうはたけしの前で、自分のことをゆうじろうと言ったのだろうか。
これは誰にも分からない。
この先誰も分からない。
作者も分からない。
「明日ゆうじろうに会ってくるわ。」
「おう、そうしてくれ。俺も明日はけいたろうに会わなきゃいけないんだ。」
「わかった。じゃあ明日。」
「なんでだよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます