第12話 青木が撃った犯人は死亡
瞬、森下警部の顔が強張った。
「君は青木巡査長だったな? 先ほど吉田警部補を刺した男が病院に到着と同時に死亡したようだ」
「えっ……」
俺は絶句した。俺は人を殺した。警官の職務とはいえ一人の人間を殺したことには変わりはない。しかも威嚇射撃抜きで射殺したのだ。
「ところでもう一人の男が逃げたと聞いたが顔は見ていないだろうな? いいんだ。そんな状況じゃ確認出来なかっただろう。だが君も警官だ。今回の事件を解決しない事には警部補も報われないだろう」
「あの、どういう事でしょうか? 吉田さん……いいえ警部補に何かあったとか?」
「いや、たった今だが手術室に入ったそうだ。君も心配だろうが職務を優先してくれ」
俺は厳しく叱咤されると思っていたが、警部は気遣いさえ見せてくれたのが少しは救われた。ただこのまま無罪放免で終わるとは思っていない。俺の発砲が警官として正当なものか、これから査問委員会か何かによって裁かれる事になるだろう。
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