第7話 (PHONE)ピーフォン
それと日本は特に拳銃使用は厳しく、万が一威嚇発砲しようものなら詳しい報告書や詰問され、発砲した経緯を細かく問い詰められる。
時刻は夜七時を過ぎた頃、吉田さんと巡回に出ることにした。交番は留守になるのでドアの前に留守中のプラスチックの札を下げておく。
緊急時の時は電話が備え付けられており署に直接繋がるようになっている。
「ふう暑いなぁ、もう日が落ちているというのに、なんて暑さだ」
「じゃ巡回に行くか、今日は土曜日だし盛り場のある吉原町の方から周るか」
夜のパトロールは自転車を使わず二人一組で歩く事にしている。しかし日が落ちたのに蒸し風呂のように暑い。まさか制服警官が半袖で歩く訳にも行かず、おまけに重装備だ。拳銃、警棒、手錠、懐中電灯だ。
もうひとつ重要な無線機だが、我が署は今年から無線機に代り警察用携帯電話が支給された。
因みに(PHONE)ピーフォンと呼ばれポリス(警察官)の電話という意味らしいが性能は凄い、一度に五人と話せて緊急時のボタンを押せば即時に本署に繋がりGPS機能付き、地下道やトンネルでも繋がる高性能機種であり無線より遥かに小さく便利だ。
勿論無線機の役割も果たしており緊急情報も入ってくる。
「今日は土曜日ですし酔っ払いが多いでしょうね」
「そうだな。暑い時の生ビールは美味いだろうよ。俺達も勤務明けに飲んで行こうか」
「いいですね、考えただけで足取りも軽くなりそうです」
「うん……早速酔っ払いか? まだ日が落ちたばかりだと言うのに一体何時から飲んでいるのか? いい身分だぜ」
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