第2話 死ぬということの正体

屋上の扉を勢いよく開いた俺は


扉の方に振り返った女の子と目が合った。


女の子は動揺していたので、なにか言葉をいおうか言うまいか、わからない状況のように見えた。


そこで俺はとっさに考えを巡らせた。

(まずは言葉を彼女に聞いてもらえるよう、落ち着かせるのが先だ、)

(なにを伝えれば、彼女はまず正気に戻るんだ・・・)


歌おう!!!


俺「空 こぼれ落ちたふたつの星が

光と闇の水面 吸い込まれてゆく

引き合うように 重なる波紋

誇りの道を往く者に 太陽の導きを

野望の果てを目指す者に 生贄を

震えるほど心

燃え尽きるほど熱く

その手から放て 鼓動

身体 漲る勇気で

迷い無き覚悟に喝采を~~ッ!!!」


女の子は余計戸惑った。

その隙にガタイのいい男性教員が2人やってきて

屋上のフェンスの反対側にはいった。


女の子は、もうなにがなんだかわからない様子だったので

そのまま屋上からそのまま連行された。


男性教員は、女の子をまるで軽度犯罪者のような、

お騒がせなやつだな、と思って、ハぁ・・・というため息をついていたような気がした。


俺がひとまず安心したと思った、そのとき!

屋上の隅に、なにか、"どす黒いモヤ"のようなものが見えた。


俺は、それをたしかめたくなった。

それに対して、とてもいらだちを覚えた。


なぜならば、それは命を地獄へ引きずり込んだ正体に違いなかったからだ。

あいつが、女の子の後輩をここに呼び寄せた元凶にちがいない・・・

直感でそう思った。


俺はこのモヤにむかって、独り言をいうかのように尋ねた。

「なぜ、そんなことをする?死んだらどうするつもりだったんだよ」


モヤが動いた


3話へ つづく



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