充電切れ

釣ール

誰か古いバッテリー交換してくれ

 昨日許せない人間へ別れを告げた。

 内容は人には言えない。

 人ってあれだけ嫌いな者に対して大きな声を出せるんだと思えるほど初めての拒否宣言が出来てスッキリもした。


 何事も辞め方が下手だなあと後悔しては前向きになってしまう。

 どこにも居場所がない苦しみを分かち合うことが出来ないから恨んでしまうと裏切った奴に説教された時は机をひっくり返してやろうと生きたことのない昭和の時代を思い出しては


「あんな時代に帰りたいとは思えない。」

 と後に産まれた者は誰しもが思うだろう。


 恩恵を受け取った後にただ死ぬだけの人生は私にとっては夢だった。

 もっとも産まれた瞬間に頓挫とんざしたのだから救いがない。


 いつも自分が話す言葉は常に誰かの引用。

 オリジナルがオリジナルなのか分からないまま生きていく絶望を共有できたとしても相手との環境の違いに安心か拒否感が得られるかどちらかだと思うとやるせない。


 人類の頭の悪さだけはどうにもならないとは言わない。

 せめて自分だけでも賢くなるしかない。


 あの時ためにたまった恨みを言葉にして自由になったと思い込んだ後悔という意味付けをきっかけに歩きたくない方向かもしれないと不安に思いながら一歩進んでいく。


 ポジティブさが自分にあると信じながら奴との思い出をしばらく悪夢として見てやっと捨てられて本題にようやく入れた現実に涙を流しながら。

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