第11話  コウは稼ぎまくる!

 コウは、賞金稼ぎの仕事に励むようになった。このキールという街には、思った以上に賞金首がいた。コウは、賞金の金額の高い者から順番に討ち取っていった。それはコウにとって、笑いが止まらなくなるくらいの荒稼ぎだった。お金がどんどん入って来るのだ。コウは、それをハーレム資金にすることに決めた。


 その日、コウはお気に入り3人娘の1人、ランと過ごしていた。ランは目鼻立ちがくっきりした大美人だが、冷たい印象を受ける。しかし、スタイルも良い。165センチ、細身のGカップだった。ツンとして見えるが、話すと意外に愛嬌がある。話しやすい。コウはランとスグに打ち解けた。コウは気取らない。背伸びもしない。下から出て来るわけでもない。いつも“素”だ。等身大の振る舞いや言動をする。コウのそういう所が、メグ、ラン、カレンに気に入られたのだろう。


 ちなみに、メグは暖かい印象の美人で163センチ、細身のDカップ。万人ウケする顔立ちで、誰が見ても“美人”と言うだろう。もう1人、お気に入りのカレンは157センチのEカップ、美人というより愛嬌があってカワイイ感じだった。いや、かわいいではない、めちゃくちゃかわいいのだ。ちなみに、カレンも胸以外は細い。コウは、スレンダーグラマーが好きなのだ。


 コウは、いつの間にか3人から愛されるようになっていた。


「なあ、ランちゃん」

「うん、何?」

「なんで、この街にはこんなに賞金首がいるんやろう?」

「あなたの故郷にはいなかったの?」

「1人もおらんかったで。僕が6歳の時にチンピラが2人流れて来ただけやわ」

「そのチンピラはどうなったの?」

「トラブルが起きたから僕が斬った」

「コウちゃん、6歳でチンピラを斬ったの?」

「うん、僕は強いから」

「故郷って、どこだったの?」

「ヨーラ村」

「ああ、あの田舎の。平和な村だと聞いているわ」

「田舎って言わんといてえや、確かに田舎やけど。僕があの村を街にするから」

「いい所ね、国境から離れてるから戦火が及ぶことも無いし」

「ああ、そういえば戦火に巻きこまれたことは無いなぁ」

「あそこは田舎すぎて隠れられないでしょう? その点、こういう都会の方が悪い奴が潜伏しやすいのよ。都会であればあるほど、賞金首も多いのよ。このキールの街よりも都会の街に行ったら、もっともっと賞金首がいるわよ」

「なるほど、都会の方が犯罪者もおるんやな」

「そういうこと。それに、この街には保安官しかいないからね」

「なんで、軍隊や憲兵隊が駐留せえへんのやろう?」

「わからない、そんなに大問題になっていないからじゃないかしら」

「まあ、賞金首が多い方が稼げるからええんやけど」

「活躍してるわね、コウちゃんのこと、街中で噂になってるよ」

「噂? 僕、噂になってるんや。知らんかった。なんで僕が賞金稼ぎで頑張っているかというと、僕には、ハーレムを作るという夢があるからやねん」

「コウちゃん、ハーレムを作るの? じゃあ、ハーレムが出来たら、私も呼んでくれる? コウちゃんだけに抱かれるようになりたい。他のお客さんの相手をするのが嫌になってきた」

「ハーレムが出来たら、ランちゃんも呼ぶよ。当たり前やんか」

「良かった。楽しみに待ってるからね!」

「ところで、この街で1番の凶悪犯って誰なんやろ?」

「そうね、30人殺しのサムね」

「何それ? 30人殺しのサムって」

「街の権力者の息子なんだけど、或る人妻に恋をして無理矢理自分の館に連れ込んだのよ。綺麗な娘(こ)だったんだけどね」

「もしかして監禁?」

「そう、拉致って監禁」

「ヒドイな、それで?」

「その人妻が隙を見て脱走したの。勿論、街からも出て行ったわ。旦那や子供と一緒に。家族でこの街から出て行ったのよ」

「ほんで?」

「怒り狂ったサムは、剣と猟銃を持って街をさ迷って30人を殺したのよ、八つ当たりで。あの晩のことは、今でもこの街の者なら忘れられないわ。悪夢の夜だったの」

「銃を持ってたんか? えらい金持ちやな。っていうか、30人ってヒドイなぁ」

「それで、朝にはいなくなっていたの」

「どこに行ったんやろ?」

「森の入口の洞窟に潜伏しているっていう噂だけど、誰も確認しに行かないからわからないのよ」

「その事件って、いつの話?」

「半年くらい前よ」

「半年も潜伏していられへんやろ? 食事はどうするの?」

「サムの祖母が、食事を運んでるっていう噂。全部噂。本当のことはわからない。わかっているのは、30人が殺されたっていうことだけ」

「そいつも賞金首か?」

「勿論。でも、誰も関わろうとしないわよ。権力者の息子だから、親の権力に怯えて手を出せないのよ。だから、保安官も見て見ぬフリをしている状況なの」

「僕が行って来る! そんな奴は許されへん」

「行くの?」

「行く」

「気をつけてね」

「いや、行くのは明日やけど」

「じゃあ、今日は?」

「ひたすらランちゃんを抱きまくる」

「もう、コウちゃんたら、絶倫なんだから」

「もしかして嫌なん?」

「ううん、嫌じゃないよ」



 朝まで、コウ達は互いを求め合った。







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