第9話  コウは成人する!

 そして、教会を出る日がやって来た。13歳。成人して、コウとサラは教会の孤児院を出た。


「コウちゃん、まずは、家が必要だよね?」

「借家かアパートか? いやいや、お金のある内に、自分達の城を買っといた方がええやろな」


 お金はあるので、手頃な家を買ったが、まだまだお金は残っていた。


「うわー!コウちゃんと私のお城だよ!なんか嬉しい。私、家を買ってコウちゃんと暮らすのが夢だったの」

「これから、一つずつ夢を叶えていこうや」

「うん!」


 最初は剣術道場の経営をしていたが、シュリの給料をアップしてシュリに任せることにした。まあ、気が向けば立ち寄るのだが、毎日顔を見せるようなことは無くなった。コウは戦場で活躍した時のような一攫千金を狙っていた。戦が起きてほしいのだが、そんなに都合良く戦は起きない。


 コウはサラと暮らしはじめ、それなりに幸せのはずだったが、満たされない心を抱えていた。コウが心から求めていたのは茜だったからだ。だから、サラに言った。


「遊ばせてほしいねんけど」


 サラはコウを束縛しなかった。お許しが出たので、コウは遊んだ。まず、1軒だけある売春宿に行った。数人しかいないのだが、その数人を全員味わった。大人の女性ばかりだったので、サラには無い新鮮さを感じた。成人したとはいえ13歳。お店では可愛がられた。そこは、コウにとって居心地の良い場所となった。


「あら、今日も来てくれたの?」

「うん、開店するのを待ってた。ミライさんに会いたかったんや」

「女の子は他にもいるでしょう?」

「全員を抱いた。結果、僕はミライさんを選んだんや」

「私が1番オバサンなんだけど」

「年齢は関係ないで。ミライさんが1番キレイやし、1番好きや」

「奥さんとどっちが好き?」

「サラとミライさん? 比べたことないけど、多分、サラの方が好きやわ、ごめん」

「やっぱり奥さんが1番なのね」

「ミライさんは2番やけど、この国は重婚出来るから、ミライさんともいずれ結婚したいと思ってるねん」

「あら、嬉しい。早く迎えに来てね」

「うん、とりあえず今、早く抱きたいねんけど」

「わかってる、脱ぐから、あなたも脱いで」


 昼間から売春宿に通い、夜、帰ってからサラを抱いた。

 すっかり女性の味をおぼえたコウは、もっと多くの女性を知りたくなった。そして、村のシングルマザー達の家に行った。


「すみませーん!」

「はい、どなた?」

「コウです」

「あら、あなたがコウ君?名前は知ってるけど、どうしたの?」


 狭い村なので、名前くらいはみんな知っている。特にコウは有名人なので、村でコウを知らない者はいない。


「僕、13歳になって成人したんや」

「あ、そうなんだ、おめでとう。それで、今日は何しに来たの?」

「ローザさんって、旦那さんいないやんか、ほんでキレイやんか、せやから夜這いに来たんやわ」

「夜這い? そんな、急に来られても」

「いずれ僕の3人目の嫁さんにするから」

「えー! そんなこと急に言われても」

「とりあえず、中に入れてや」

「相手がコウ君なら、興味はあるけど」


 コウは、どこへ行っても歓迎された。そして、プロが相手でも素人が相手でも、自分の相手をしてくれた女性には宝石の原石を渡した。これは、戦争に行った時に鉱山を通ったので、その時に拾い集めたものだった。勿論、サラには1番大きな石を最初に渡している。


 原石は加工すれば宝石として使えるし、売ることも出来たのでありがたがられた。ますます、コウは歓迎されるようになった。


 その内、コウは思うようになった。


“ハーレムを作りたい!”


 お金を集めれば良いのだ、コウは手っ取り早く稼げる方法を考えた。コウは、“賞金稼ぎ”をすることに決めた。サラにしばらく留守をする旨を伝え、コウは賞金稼ぎの旅に出ることにした。


「すまんな、なるべく早く帰って来るわ。何か土産も買ってくるから」

「無事に帰って来てくれたら、それだけでいいよ」

「500人長の給料が毎月届くし、貯蓄もあるから経済的には安心やろ? 今まで通り専業主婦を続けてくれたらええから」

「うん、早く帰って来てね」

「暗い顔するなや、僕の第一夫人やねんから、いつでも堂々と笑顔でいてほしいねん」


 コウはサラとキスをした。前日は、別れを惜しんで1日中抱き合っていた。


「ほな、行って来るわ」



 戦場とは違う、コウの冒険が始まった。







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