第6話 ハーフシスター&ブラザーズ来襲

息子が手術後して以降、以前のように動きまわれないので、電動車イスを貸し出してもらった。電動椅子自体はいいのだけれど、机が低すぎて、宿題するのになんとも困っていたら、元旦那から、「ちょうど引っ越す人から、電動で高さ調節できるデスクをもらったとこだ。嫁ちゃんが使うつもりだったけど、必要なら嫁ちゃんに聞いてみるが?」と、連絡があった。


元旦那は、私と離婚が成立して、けっこうすぐに再婚した。


相手はまた日本人で、元々は日本にいた時出会っていた人。離婚してすぐ、カナダにも遊びに来て、実は私もその時会っていたりする。


そして私と、元旦那との間には、娘と息子がいて、もう、大学生と高校生の年。共同親権で、50%ずつの時間をお互いの家で過ごす、という取り決めになっている。っていうか、なっていた。そして、子供の学校は、話し合いの末、元旦那の家の近くの学校に通わせることになった。


そりゃまあ、最初は、元旦那の再婚だ、子供ができた、だので、気持ちが追いつかない時もあったけど、時間が一番の薬とはよく言ったもので、徐々に、徐々にその状況に慣れていった気がする。


元旦那が再婚して、娘と息子は、私が勤務中は元旦那の家、休日は私、ってことでうまくいってたんだけど、向こうんちに一人目が生まれてからはなんか、ぐだぐだになって、結局うちの子たちはほとんどの時間を私んちで過ごしている。


そして、旦那の家の近くにある学校への送り迎えが面倒になった私は、子供の学校から歩いて10分の距離のところに引っ越した。そしてそこは、元旦那の家から車で5分くらいのところ。奥さんにとっては、元嫁がチョロチョロしてるのは気に食わないだろうなあ、とは思うんだけど、カナダでは結構普通にある話だし、まあ、私が離婚したところで、元旦那が子供の父親であることに変わりはないから、納得してもらうしかない。


そして私にとっては、元旦那に奥さんがいる、と言うことより、自分の子供に、半分血のつながった別の兄弟(ハーフシスター&ハーフブラザー)がいる、ってことがいまだになんとも不思議な気がしている。


はじめの頃は、さすがに複雑な気持ちだったんだけど、下の子たちが生まれた頃からは、もう、親戚のおばちゃん? いや、もう、孫を見るおばあちゃんのような気持ちになってきている。なにせ、娘と向こうの上の子が一回り以上離れてるから、「あらまあ、大きくなって。え、もう、小学校?!」みたいな。


で、話が戻るけど、机を持ってきてもらうがてら、元旦那が子供たちも連れてきた。


上の子が小学生で、下の子はまだ保育園。


息子の部屋からおもちゃを見つけては、盛大にリビングにぶちまけてるのをみて、片付けても片付けても終わらないあの戦いの日々を思い出してしんみりしたりしてしまった。


帰りがけに下の子がうちの娘に向かって、「ここは娘ちゃんの家なの?」と不思議そうに聞いた。


まあ、同じ人に向かって「Dad」って呼んでるから、自分の父親がうちの娘の父親でもあることはわかっているらしい。だけど、一緒には住んでないよな〜、って感覚なのだろうか。


娘が、「そう、私にはお家が二つあるの」と普通に答えると、一瞬考えた後、「そっか」と納得した様子で、靴を履いて出ていった。


子供って順応性あるよな。


〜終わり

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