中編
「万汰、お茶飲んだ?休憩は終わり。さ、続きを言うからね」
「姉ちゃん、次は何を……」
「異世界ってのだけど」
「それが何か?」
「何で、王女様の名前はカトリーヌなの?」
「名前?深い意味はないけど」
「カトリーヌはフランスの名前でしょ。それなのにミドルネームはフォンになってるよね」
「貴族ですから」
「フォンはドイツでしょ」
「知りませんそんな事」
「魔法はファイヤーとかサンダーとか英語になってるよね」
「魔法ですから」
「で、この国はフランスなの?ドイツなの?英語圏なの?」
「異世界です」
「あと、教会にマリアさんっているよね」
「仲間になる回復術師さんですね」
「マリアさんって事は、キ●●ト教会よね」
「違います」
「でも、マリアさんはシスターでしょう」
「仲間になる前はシスターでした」
「シスターって、●リス●教の修道女の呼び方よ」
「知らなかったなー」
「それに聖書」
「聖書が何か?」
「聖書はキ●ス●教における正典の呼び方よ」
「たまたま似てたかなー」
「それにマリアさんのお父さん、ジョセフと言うでしょ」
「そう言う名前でしたね」
「ジョセフの語源は、聖書に登場するヤコブとラケルの息子で、新約ではマリアの夫の名前から来てるの。という事はやはり●●スト教の……」
「名前は適当に付けてるんで、語源とか気にしないでください」
「そうそう、話は変わるんだけど……」
「よかった……話が変わってくれた……」
「魔王軍の幹部に、ベリアルとルシファーとサタンがいるじゃない」
「いますね」
「3人同じ人じゃないの?」
「違いますよ」
「ベリアルとサタンを同一とするかしないかは意見が分かれるところだけど……わざとここで3人を出す位だがだから、やっぱり同一人物よね」
「……すいません適当にカッコいい名前をつけただけなんです」
「でも、上手く考えてあるわね。騎士団にいるミカエルとは、実は本当の兄弟なのね」
「え?」
「ああ、言わなくて良いわ。そこはまだ内緒よね」
「姉ちゃんが深く読み解きすぎる……」
「ところで、この悪役令嬢って何かしら」
「それは姉ちゃんの方が詳しいだろ。乙女ゲームによく出て来る人だよ」
「そうかしら……姉の知ってる乙女ゲームに、悪役令嬢なんていた事あったかしら」
「俺は乙女ゲーやらないから分かりません」
「どちらかというと、スポーツ漫画の主人公のライバルキャラよね。トーシューズに画鋲入れたりとか……悪役だし、無駄に令嬢っぽい服装と髪型してるし」
「……なんですかそれ」
「昔のスポーツ漫画の悪役ライバルキャラを本当の令嬢に見立てて、あたかも乙女ゲームにいる様な貴族として悪役令嬢という概念を作り出しているのね、さすがね万汰。よく考えてるわ」
「……テンプレ使っただけですが」
「ところで、スキルってあるじゃない」
「ありますね」
「主人公だけ強いスキルが使えるのね」
「主人公ですから」
「レベルも一気に上がるじゃない」
「主人公ですから」
「やっぱり、上げ過ぎはよくないと思うの」
「姉ちゃん、それは何故に?」
「やっぱりファンタジーは、迷宮の地下6回でグレーターデーモンにエナジードレイン食らってレベル下げられて逃げようとしてテレポートしたら石の中に閉じ込められたり死んだ仲間の蘇生に失敗してロストする位の緊張感があった方が良いと思う」
「姉ちゃんそれはウィザード●ィのやり過ぎだと思う」
「それと空間魔法」
「……空間魔法が何か」
「これも、ドラク●における荷物袋のオマージュなのね」
「いや他のゲームにもあると思いますが」
「いえ、FFはもとより荷物持ち放題なのよ。もちろん●ィザードリィにそんな便利な物は無いわ。わざわざ袋に一旦入れて、好きな時に取り出すのは●ラクエなの。さすが万汰ね。それを魔法として使う事で、ドラ●エオマージュを上手くファンタジーに落とし込んでいるのね」
「そ、そうなんだ」
「でも惜しいわ」
「なぜでしょう」
「主人公、パーティを追放された弓使いを仲間にするじゃない」
「その後、元のパーティに仕返ししますね」
「そう、弓使いがいなくてフライドラゴンに苦戦していたわね」
「空飛ぶ敵に有効な打撃が与えられなくなったんです」
「ドラクエにその概念はないのよ」
「……そ、そっすか」
「それは、どちらかというとファイ●ーエムブレムね」
「姉ちゃん、FEにも詳しかった……」
「それにポーションはファイ●ルファンタジーよ。ドラクエはやくそうね」
「FFにも詳しかった」
「それにサキュバスはドラクエじゃなくて女神転生よ」
「メガテンにも詳しかったか」
「あでも大丈夫よ万汰」
「何が大丈夫なんですか」
「そこは全部、TRPGって事にしときましょう」
「俺の小説はテーブルトークのリプレイだったのか」
「大丈夫、ロー●ス島戦記も元はTRPGリプレイなのよ」
「姉ちゃんの知識が謎すぎる」
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