インターハイ2回戦-白岡高校-10

 貴は、空中で右手から左手に持ち替えて、ディフェンスをかわして、シュートするダブルクラッチで得点を入れる。更に1本のフリースローが与えられた。


 貴はフーッと息を吐くと、軽くボールを突き、膝を曲げた。膝で軽くリズムをとった後、シュートを放った。


 フリースローも決まる。


 貴は喜ぶこともなく、すぐにディフェンスへと切り替える。


 貴と嶋田のマッチアップ。


 貴はゴール下まで切り込んだ。ドライブだ。


 レイアップシュートでシュートをする仕草をする。


 嶋田はシュートでくると思い込んで、シュートブロックをしようと手を伸ばす。


 貴は外へ出そうと拓斗へパスを出す。


 拓斗はスリーポイントをしようという動作をした。


 その時、貴もスリーポイントラインへと広がった。


 拓斗はその様子を見て、再び、貴にパスした。


 貴はスリーポイントを放つ。


 貴のスリーポイントがまた決まった。


「よし!」


 貴は軽く拳を握った。


「6番を徹底マークだ! シュートを打たせるな」


 三田が大きな声で叫ぶ。


 先ほどから、貴にシュートを入れられている。白岡からしたら、貴を止めないと勝ち目はないと感じるだろう。


 そうはいっても、白岡も負けていない。


 宮戸がボールを持てば、スリーポイントを必ず決める。


 気がついたら、宮戸のスリーポイントは、連続10本目だ。


 1クォーターも残りは1分を切っている。


 拓斗はゆっくり時間を使って、ドリブルした。


 そして、残り3秒でシュートをする。


 拓斗のシュートは決まらなかった。


 これで、1クォーター終了。


 2分間のインターバルに入る。


 2クォーターは、1クォーターのスタートメンバーに戻る。


「ここで、もう一度、立て直そう!」


 慧の言葉に、全員が頷いた。


 1クォーターは21-30で、城伯高校は9点ビハインド。


 俺たちは何度も逆転してきた。


 まだまだ、これからだ。

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