インターハイ2回戦-白岡高校-8

 城伯高校は、ディフェンスをするために素早く戻る。


 三田がすぐに宮戸にパスを出す。


 宮戸は1対1をしかけると見せかけ、スリーポイントを放つ。


 智樹は、ディフェンスをかわされた。


 慌てて、智樹は、宮戸のシュートを防ごうと手を上げた。


 そのとき、宮戸に体当たりしてしまい、宮戸を倒してしまった。


「悪い」


 智樹は手を伸ばして、宮戸を立たせる。


 宮戸は笑顔を見せた。


「ありがとう、大丈夫」


「ファウル!」


 審判は智樹に対して、ファウルを宣告した。


 智樹はファウル1。


「今、焦ったな。平常心だ。平常心」


 俺は智樹に声をかけた。


 宮戸の放ったスリーポイントは、バスケットカウント。ファウルを受けながらもスリーポイントを決めた。


 さらにフリースロー1本が与えられる。


 宮戸はフーッと息を吐くと、あまり時間をかけずにシュートをする。


 フリースローもしっかり決めてくる。


「よし、1本行くぞ」


 俺はドリブルをしながら、仲間に声をかけて、気持ちを切り替えさせる。


 三田は、パスかスリーポイントを打つと読んでいる気がする。俺は瞬間的にそう思って、1対1の勝負をする。


 三田はすぐに壁になって、行く手を阻んだ。


 俺はドリブルをしながら、くるっと回って三田に背を向ける。同時に貴が、スリーポイントのラインにいることに気づいた。


 俺は貴にボールを託す。


 貴はボールを持つと、すぐにスリーポイントシュートをする。


「ちょっと、ずれたかな」


 貴はシュートを放った瞬間、自分でわかったらしい。


 アーチがあまりかからなかったけれど、ボールはリングの中を通過した。


「ナイシュー!」


 俺は貴の背中をポンッと叩く。


 貴はフッと笑った。


 さぁ、ディフェンスだ。


 ボールを持っているのは、宮戸だ。


 智樹は宮戸にスリーポイントを打たせないように、ピッタリとくっついていく。


 宮戸は一歩踏み出し、智樹の動きをずらして、また、スリーポイントを放つ。


 このスリーポイントも、宮戸は決めてくる。


 3本連続のスリーポイント成功だ。


 宮戸のスリーポイントが当たってる。


 これを阻止しないといけない。

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