インターハイ2回戦-白岡高校-4

 ウォーミングアップを終えた。


 俺たちは少し時間があるので、他の試合を見ることにした。


 高宮コーチになってから、初めての練習試合をした、福岡私立富滝高校が試合をしていた。


 相手チームは、愛知の高校だ。


 さすがは、インターハイで10回以上も優勝したことのあるチーム。


 愛知の高校も強いけれど、福岡私立富滝高校が圧倒している。


 それだけレベルが違うのかと思うとゾッとする。


 俺や慧が練習試合で戦ったときは、1年前。1年前より成長しているように思う。


「こんなに差が出るのか……」


 思わず、俺は呟く。


 40点も差がある。


「これは厳しい戦いだな、愛知は」


 慧はじっと試合を見ながら、頭を抱えている。


 城伯高校が勝ち続ければ、いずれ、富滝高校と戦うことになる。


 少し、不安になってしまった。


 こんなに圧倒的な強さを見たら、勝てる気がしない。


「弱気になるなよ、目指すは優勝だろ。弱気になってたら優勝できないぜ」


 慧が背中を叩く。


「そうだな、その通りだ」


 俺はフーと息を吐く。


 試合を見ていたら、あっという間に白岡高校との時間が迫ってきた。


「さぁ、行こうか。俺たちは次も勝つ」


 慧が力強く放った。


 さすがはキャプテンだな。


 俺も腹をくくるしかないな。


 よし! とりあえず、試合を楽しもう。楽しんでプレーすることで、結果がついてくるはず。


 それぞれの想いを胸に、俺たちはコートへと向かった。


 さぁ、2回戦が始まる。


 俺たちは、インターハイ優勝するんだ。


 ここで弱気になっている場合ではない。


 俺は頬をパンッと叩きながら、気合を入れて気持ちを切り替える。


 コートに入ると、軽くシュート練習をする。


 数分、シュート練習をした後、高宮コーチのところへ集まる。


「今日もうちが不利になることは間違いない。それでも、絶対に諦めるな」


 高宮コーチが声をかけた。


「ハイ!」


 全員が返事をする。


 さぁ、いよいよ、始まる。

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