インターハイ2回戦-白岡高校-3

 俺たち、城伯高校は体育館に着くと、早速、ウォーミングアップを始める。廊下の階段で、軽く上り下りをして体を温める。


 ウォーミングアップは、だいたい廊下を使って行うことが多い。コート内に出場高校全員が入ることはできないから。


 試合直前の2校がコート内でのアップができる。


 今日は、昨日より気温が高くなるようで、体育館も暑くなっている。冷房は効いているのだが、会場の雰囲気や人混みで熱くなっている。


「初めての出場で、1回戦を勝ち上がってきたか」


 どこからか、近くで声がした。


 俺が振り返ると、白岡高校のメンバーがいた。


 1回戦を勝ち上がってきたかと、感心していたのは、3年生、パワーフォワードの嶋田一しまだはじめだ。


 白岡高校もウォーミングアップをするところだった。


「今日はよろしく頼むよ」


 同じく3年のポイントガード、三田康太みたこうたが慧のところに来て、挨拶する。


「こちらこそ、よろしくお願いします」


 慧は丁寧に挨拶をすると、握手した。


 三田は白岡高校バスケ部のキャプテンだ。


 キャプテン同士で挨拶をかわしていた。


 俺が軽く階段を駆け上がっていると、声をかけられた。


「三ツ谷高校との試合、スリーポイント、凄かったな。今日、楽しみにしてるよ」


 こちらも3年生、センターの川崎雄太かわさきゆうたが、にっこりとしている。


「こっちも楽しみにしてるよ。今日はよろしくな」


 俺も笑顔で答えた。


 白岡高校との試合を楽しみしているのは、本音だ。ただ、今の俺は緊張のほうが勝っている。


 でも、自信がある。


 今、緊張していても、試合が始まれば、緊張なんて吹き飛ぶと。


 白岡高校は城伯高校に挨拶をすると、ウォーミングアップを始める。


 俺たちもウォーミングアップを再開した。


 暑いからこそ、集中力が欠けてしまう。


 油断せずに集中力を保てるようにしよう。

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