インターセプト

インターハイ開幕5

　スリーポイントを再び打つ。

　ボールは綺麗なアーチを作っている。

　シュッ

　スリーポイントがまた成功する。

「おぉ！！」

　慧が俺よりも先に雄叫びを上げている。

　俺は自分でも信じられなくて、驚きのほうが強かった。

　3連続のスリーポイントシュート。

　入らない時は入らないのに、入るときはボンボン入る。

　これがバスケの楽しいところだ。

　でも、まさか、3連続はあるとは思わない。

　スリーポイントは、2点のシュートよりも、はるかに難しい。

　チームのスリーポイント成功率は30%あればいいほうだ。

　あまり期待したらいけないな。期待していると、自分にプレッシャーをかけて、逆に入らなくなってしまう。

　気を引き締めていこう。

　俺は息を長く吐く。

　三ツ谷高校のオフェンス。

　野崎がボールを保持している。

　野崎に風斗がついていて、プレーをさせないように、しつこくディフェンスしている。

　なかなか、パス、シュート、ドリブルができない野崎は強引にゴール下まで行こうと、風斗を押し退ける。

　風斗は、それでもゴールまで行かせないと、野崎についていくが、手が下がったと同時に野崎の腕を叩く形になった。

「ファウル！」

　審判が笛を吹き、ファウルを判定する。

　風斗のファウルだ。ファウル1がカウントされる。

　手を上げていれば、ファウルにはならない。

　だが、ディフェンスをしっかりやって、ボールを奪うことを狙って、手を出した瞬間に、下がってしまった。

　チームファウルが、まだ5つに到達していないため、また、シュートシチュエーションではないため、フリースローはない。

　三ツ谷高校のスローインから始まる。

「よし、もう一度ディフェンスだ」

　俺は風斗の肩を叩き、声をかけた。

「まだまだ、これから」

　風斗はニッと笑って、頬をバンッと叩く。

　どうやら筋肉に刺激を与えたようだ。

　1クォーターは残り3秒。

　3秒なら確率は低いが、シュートが入ってしまい、差が開くこともある。

　だから、油断はできない。

　野崎がボールをコートに入れる。

　ボールを受け取ったのは、黒山。

　黒山はボールを受け取ると、一か八かの勝負。

　城伯高校の陣地から、シュートを放つ。

　同時に1クォーター終了の音がする。

　黒山のシュートはボードに当たったものの、リングの中に入ることはなかった。

　1クォーター終了。

　24-30

　城伯高校6点ビハインド。

　全然、逆転できる差だ。

　2クォーターも行くぞ！