捌 『執着』
霰琳は北亀との関係を上手く築いていた。名を呼べば応え、命ずれば応える。神と巫との関係性を超え、素直に親しい間柄の存在。
「北亀」
『なぁに?』
「わたくしは良い子?」
『——うん、すっごく良い子』
北亀は少々考えた後、にっと口角を上げて答える。
「‼………でも、本当かしら。御母様がわたくしを悪い子だと言っていたわ。貴方も聞いて居たでしょう?」
『でも、良い子。ちゃぁんと勉強して、偉い子、凄い子』
——貴方
——貴方
「……
生きる意味も全て北亀に、学ぶ意味も、努力する意味も全て、北亀、北亀。
『小霰、もっと僕を頼って……』
「わたくしの傍から離れないで、北亀」
『僕に縋って、僕無しじゃ居られない存在……嗚呼、可愛いなぁ』
「北亀が居ないと生きていけない」
『——君が嫌いな奴は皆、僕が殺してきてあげる』
「——大好きよ。ずっと一緒に居て、わたくしの身が亡ぶまで」
『例え、何を犠牲にしてでも小霰の傍に』。
『■■き』。『■霰■君■■』。
『例え、何を犠牲にしてでも北亀の傍に』。
『愛■■■』。『■■永■て』。
(——ねぇ、北亀。そうでしょう?)
例え、わたくしと貴方が〝人殺し〟であっても、ずっと一緒にいるのよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます