後宮妃実家事情『皓徳妃』

 徳妃とくひハオ 月汐ユーシー妃。

「私の実家の事等は別に良いのです。どうせならば菫花ジンファ様の御話おはなし御聞おききになって下さい……」



Q『実家は何をしている家なのでしょうか?』

A「むむ、れは菫花様の事ではないのです……だけど、特別に話してあげます。私の家は農業で繁栄しています。国で流通している五穀ごこく等も、皓族の者が主な生産者なのです」


Q『五穀……と言いますと、米や麦、きびあわ、豆ですね。同時に五つもの穀物を育てているのですか?』

A「同時に育ててはいますが、種類に応じて量は違うのです。一番の収穫量を誇るのは米で、続くのは麦なのです」


Q『品種改良も行っていると小耳に挟んだのですが、本当のところ如何どうなのでしょう?』

A「はい、行っているのです。お父様とお母様の代では糕穣暢米こうじょうのこめと名付けられた米が生み出され、今では民の主食と化しているのです。ですが商品名はあまり知られておらず……糕穣暢米を覚えて欲しいのです。ちなみにの名の意味は、豊かに実った米で幸せになれ、なのです。何だか良い意味なのです」



れ、商品の宣伝になっていません? 』

「私は悪くないのです。菫花様の御話おはなしをなさらないのなら、私が宣伝をしようと良いのです」




  後宮妃実家事情『徳妃』

  【終わり】

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