第2話 下積み
初日から料理をする世界の洗礼を受けた俺は、これまで積み上げたものが崩れ去る音がした。
初日は、そんなこんなで覚悟していたよりよっぽどの思いをして、次の日の朝を迎えた。
俺「あぁ、また暴言を言われるのか」そんなことを考えながら、通勤していた。
朝職場に着いてからは、下積みをこなしていく。
掃除だったり、洗い物だったりと、いわゆる雑用をして一日が終わって、それが1ヶ月続いたある日、久々に包丁を握れるチャンスが来た。
この日の為に、包丁は職場に既に持って行っていたから、とても嬉しい気持ちで久々に包丁を握った。
だが、握ったその瞬間忘れかけていた初日のあの言葉が脳裏にフラッシュバックして手が震えて、全くと言っていいほど、何も出来なかった。
今度は何を言われるのかとドキドキしていたら、次の瞬間、「舌触りが悪い。不味い。食べ物じゃない。」こんな事を先輩方から言われた。
またしても、こうなるのかと…
その日の夜は、泣きながら家に帰り、記憶無く寝てしまっていた。
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