2章 悲劇
朝起きて、INEを見た。すると、信じられないことが書いてあった。
[なんか、逆井が名古屋駅の前で女性の通り魔に殺されたらしい。]
[あー。その女性なんか、逆井と関わりがないように思われていたけど、実はちょっと前に会っていた、なんて情報もあるよ。]
なんか、級友が殺されたのに、全く悲しみを感じない。一体、どういうことだろう?
ただ、衝撃を感じた。
ただただ、恐ろしかった。でも、これはもうすでに決められていることのように思えてきた。一方で、このまま結婚式が行われるのかが気になった。もちろん、警察に何か聞かれることもあるかもしれない。そう思った。
けど、待ち合わせ場所に深井がいたら、困るので一応行くことにした。
黙々と準備をしていると、大門司から電話がかかってきた。
「昨日、大門寺が来なかったか?」
僕はもちろん。「来たよ」と答えた。
でも、返事は来なかった。
そのまま、電話が切れてしまったのだ。
それは、大門司のせいではなかった、気配がしたので後ろを向くと、
私の眼には、スプレー口が向けられていた。
それと同時に、「●●じゃないか」と叫んだ。
しかし、抵抗をすることなんてできなかった。
相手は空手で黒帯を持っているのだから。
そういえば、家は柔道一家であることを思い出して、柔道をしておけばよかったと後悔をした。でも、これからは政治家として頑張りたかった。
など、いろいろなことを考えた。
でも、そのあとに僕の意識が戻ることがなかった。
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「トキハキタ、イマコソワタシタチハコノ”ミナモト”トイウソウリノムスコをリヨウシ、セカイニセンプウヲフカセヨウゾ!!」
「「「「「「「「うおー」」」」」」」」
このときこの国の人間は誰も知らなかった、逆井、源、そしてこれからより多くの人
間が死にゆくことになるということを・・・。
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我は、今思うことがいくつもある。この、手術を受けるにあたって、昔受けた手術のことを考えていた。私は昔、手術を受けたそうなんだ。それは知っているだろう。
私は、残念ながら覚えていない。その前の記憶のこともだ。このことも知っているだろう。
別に、深い理由はないが、今また君たちに感謝をしたい。多分我は、我が被害を受けたであろう交通事故の時点で人生というものは終わっていたのだと思う。
でも、君たちはそんな我を立ち直らせてくれた。感謝をするよ。
今思うことがあるといっただろう。
もちろん、それらをすべて君たちに話すつもりはない。
しかし、聞いてほしい話があるのだ。
では、少しの間聞いてもらうこととしよう。
君たちはこの世界が本当に自分が生きている世界だと不思議に思ったことはないだろうか。もちろんないかもしれない。でも、我にはあるのだよ。この世界が、もしかしたら、我の人生はすでに終わっていてこの世界はすでに夢なんじゃないかなんてね。
我の得た、多くの富を多くの子供たちに寄付したのも、そういう理由がある。自分がいることによって、救われる人がいる。そんな気持ちになることで、この世界はやっぱり自分が存在しているんだ!!そう思える。もちろん自己満足だという人も何人かいるかもしれない、いや、むしろそんなことを言う人の方が多いのかもしれない。
それでも、我はしたかった、それがたとえ自己満足だとしても。
おっと、何が言いたいのか、という顔になってきたな君たち。
でも、我が思っていて君たちにも実践してほしいと思うことはこれからなんだ。
少しでいいから聞いてくれるかな?
まあ、聞いてくれなくても、僕は話すよ。
君たちに大事にしてほしいのは「現実と夢」だ。
もちろん、この言葉だけじゃ何を伝えたいのかわからないだろう。
でも、この言葉の意味を君たちには見つけてほしいと思う。
もちろん、我だって若いころに分かったわけではない。少しづつ考えてほしいと思う。
そう言い切り、我は彼らを返した。
我は知っている、「現実と夢」をそしてこの広大な世界の真理を。
多分、私はこの手術が成功することで、しぶとく”生き”残るだろう。
でも、もうそこには我はいない。そう思った。
気のせいだといいな。また、彼らに会えるといいな。
手術まで残り10時間を切っていた。
私は、スマホを見て、眠りについた。
「明日は、長い」そう言って・・・。
Last Fantasy 夢幻の旅人 @teiou2
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