第50話 母と娘
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うちの破天荒な旦那、すっかりおとなしくなったヒナコちゃんを邪魔やからまとめて座敷牢に放り込んだんやけどな、今さら脱走とか変な気起こすなんて思わへんし、うっさい二人がおらん間に色々と話を進められればええねん。
うちな、さっき呼んだはずなんやけどな、肝心なナギとジェニーはけぇへんし、邪魔やからって今頃どっかで飲んどるんとちゃいますか?
カズサちゃんとティーちゃんは、遠いとこからわざわざ来てくれはる言うとるし、一応外交問題もあるっちゅう訳やから、そら少し時間が必要なものわかるけどな。
ナギとジェニーは……そらうちがやかましいっちゅうことやから、ほとぼり冷めたころに来てくれればええわ。
トラノスケはあれや、絶対に邪魔くさいと思とるの、うちにはわかるで?
そらな、うちの旦那譲りでそういうとこあるんやから、そらもううちらの子やな。
トラノスケもな、うちがいうのもあれやけど、はよええパートナーとくっついたらええねん。
それ言うたらあれや、うちの旦那と同いで年上好きなんやから、はよティーちゃんか、ヒナコちゃんとくっついてもええんやと思うんやけどな……ま、トラノスケも思春期やし、そう簡単にはいかへんか。
人生長いんやからそら好きにすればええんやけど、女心っちゅうもんをな、もうちょい教育したほうがええかもしれへんな?
うちと旦那でもな、上手くいってる方やけど、ま、努力賞と言ったところやな。
ウィルマはあれや、律儀過ぎるっちゅうか、もうちょいゆっくり来てもエエんやで?
「ママを放っといたらそらな、余計邪魔なことになるんやから、はよ行って直したほうがええやろ?」
流石うちの娘っちゅうか、トラノスケと双子やっちゅうのに、男と女でこうもちゃうんかって。
トラノスケは旦那によう似て、ウィルマはうちとそっくりやからな。
人前やとウィルマはな、ヒナコちゃんの血でも入っとるんかってぐらいに、めっちゃ静かなんやけど、うちと一緒におったら喧しくてかないまへんわ……あ、そらトラノスケも来えへんわ。
ま、今はそんな話とちゃうねん。
ほんならうちな、ギルドマスターはんに色々言いたいことあんねん。
一応引退したおばはんのうちらの道楽とちごぉて、Sランク冒険者の専門家言うたら大袈裟かもしれへんけど、ウィルマがおるだけでうちの素人質問でもちゃんとフォローしてくれるんやろうからな、建設的な話になるんとちゃいますか?
ほな、ちょいとギルドのありかたっちゅうもんを一個一個、詰めたろか……あ、そう言えばあれや。
画面の向こうにおる読者様から見て、うちの関西弁、変やあれへんか、作者がめっちゃ気にしとったで?───。
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