第31話 ネオンの輝きを跡にして








  ナギ姐との二人だけの時間を存分に満喫し、女子会プランを楽しんだ三人合わせてアンポンタンたちを呼び、非日常的なネオン輝くホテル街的なフロアを降りれば、ダンジョンの日常の始まりだ。


 最下層も間近だと身構えたものの、討伐対象の魔物の群れらしき姿もなく、単なるカウントをミスしたため拍子抜けしてナギ姐、アンポンタンな三人組から総突っ込みを受けた、元魔王のニート改め、今は最愛の嫁であるウィラの単なるヒモの俺は、ムードメーカー的な役割に徹しつつ、もう一回訓練が出来ると大ハシャギ。


 MP(マネーポイント)を消費して、余剰兵器の管理を担当するゴブリン君を呼び出し、元魔王であるにも関わらず頭を下げまくって、三丁の小銃と弾薬を払い下げて貰ったことで、アンポンタン三人の火力強化に繋がった。


 訓練代わりに的となる野生の魔物を標的とし、地元猟友会のような目立つ服装をしたアンポンタン三人に対し、俺とナギ姐が教練を施したことでみるみると腕を上げていったのだ。


「よし、お前らの飲み込みが早いお陰でな、このフロアの魔物たちの殲滅と相成った……残弾チェック」


「「「はっ!」」」


「カスガ、こいつらもすっかりとエステライヒの正規兵並みになったじゃねえか。お前、相変わらず教えるの上手いな?」


「ああ、顔と名前を覚えた奴がさ、戦地で野垂れ死にする様なんて見たくないだろ?」


「違いない、寝覚めが悪いからな……お前のおかげであたしも助けられたんだからな」


「そうだな、だがそれは前世の話だろ?」


「ああ、お前に背中を撃たれないぐらいにはさ、認められていたからな?」


「「HAHAHA!」」


 俺とナギ姐が、昔話で盛り上がれば置いてけぼりのアンポンタン。


 そうだね、無能な指揮官の処分の仕方ってものをさ、上手くこなす方法を教えておかないとね? HAHAHA!


「おい、お前ら……人を撃ったこと、ないよな?」


 お決まりのセリフよろしく、俺がこう言うと萎縮してしまうのは、仕方ないと言えば仕方ないけど反応から色々と察した。


 ダンジョン内の魔物の討伐も終わり、再深部の魔物の群れ相手と今後に備え、まだまだ実戦的なブードキャンプを乗り越えて貰わないとね?


「よし、俺が今から的になるから、遠慮なく撃t『TANG!』……ああ、それでいい、最後まで標的から目を離すなよ?」


 うむ、なんとも素直なものだけど、まだまだ錬度不足だね。


 そしてナギ姐、あんた笑いすぎだよ?


 釣られたアンポンタンの三人組も思わず笑みが溢れるものだからさ、無能な指揮官から解放された時の爽快感を知ってもらえて嬉しい限りだ───。








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