第12話 職業自由化(なお、適性)
◇
今日のハローワーク(ギルド)は、エステライヒ軍(ダークフェアリーたち)に制圧されたことにより、クエストの受付は明日以降になるらしい。
ダークフェアリーの戦力評価のことで抗議をするどころか、むしろマスターの胃は大丈夫なのだろうか?
受付嬢は相変わらずであるが、俺の周りを飛び回るダークフェアリーたちは、俺に向けて誇らしげに発光信号を送ったのだ。
ああ、よくやった、これでお前らの地位向上は間違いない。
そんな光景を見ていたSランクの冒険者たちから、どことなく畏怖の念を送られたような気がするが、きっと気のせいだろう。
どこからどうみてもさ、俺はチュートリアルダンジョンに苦戦した、Eランクの冒険者だぜ?
昔の話はよしてくれ、今はニートから自立したけどウィラのヒモのようなものだからね。
さて、そんな訳でもう命令権のない隠居の身だけど、エステライヒ軍の面々に撤収と伝えれば、相変わらずの規律と言うのか、律儀に従い、まるで何事もなかったかのように即座に撤退し、急に静まり返ったハローワークで特になにもやることがないので、彼らに倣って俺とウィラも撤収した。
その後、何事もなかったかのように、仲良く手を繋いで街の外れにある山小屋へと帰り、引退後のスローライフを満喫……えっとウィラ?
今日も最高に綺麗でかわいくて美しいね。
ところでさ、アメリカ合衆国マサチューセッツ州発祥のスマイリーフェイス並みに口角を吊り上げた、もはや怖いぐらいの笑みを浮かべて、俺の全身をなめ回すように……舌なめずりしてどうしたんだい?
えっ、ジェニファーとはどうだったんだって?
そりゃあもう……朝帰りになって大変申し訳ありませんでした!
さ、画面の向こうにいるあなた、このあとどうなったかって?
そりゃあもうね、ウィラが妬いたものだからさ、とてもホットだったのはいうまでもないだろ? HAHAHA!
止められない、止まらないがまま、お互いに満足するまで、疲れ果てて眠りにつくまでハッスルしたって訳だ。
そうして翌翌日、元魔王のサラリーシーフと、元智天使の吟遊詩人は、クエストを受領するべくハローワークへと行ったらたまたま、ナギ姐とクソチビポメ柴に遭遇し、なにがあったのかを察しているのか、大笑いされたのは言うまでもなかったね。
ところでナギ姐の職業は?……ああ、白魔導師?……うん、似合わねえよ! 大太刀使いの鬼神の魔女だろ? HAHAHA!
で、クソチビポメ柴は?……ああ、剣士?……お前、剣持ってねえだろ? 放浪の魔女なんだから魔法使えよ───。
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