2ー17.おみおくり

「食った食ったー」


「ほんとだよ、いくら食ってんだよお前ら」


結局、深夜まで続いた新年会。飲むは食べるわ、家の連中は大半が寝ているのにバンドマン連中は飲み足りないと言った顔を見せている。


「さて、ここらでお開きにでもしますかね」


「了解、片付けはこっちでやるよ」


「お、マジかよ。ありがとうな」


そう話す古見はどこか寂しそうな顔をした。


「んな顔すんなよ、また会えるんだからさ」


「、、そうだな、じゃあ雫起こしてくるよ」


そうして新年会は幕を閉じた。


■■


「楽しかったよ、うん、それじゃあねー」


雫と電話し終えると、時刻は深夜2時、急いで寝なければならない時間だ。でもまだ寝ない。ひとつだけ調べ事ができたからだ。


「、、よし、このサイトにしよう」


そうして開いたサイトは、料理サイトだった。


「バレンタイン チョコタルト」


そう打ち込むと、いくつかのレシピが出てくる


「古見兄妹曰く、柴田さんはチョコタルトがかなり好きらしいから、、」


材料が休め、難易度中級くらいの物を探し、見つける。


「気になるあの子をオとす!大人のビターチョコタルト」


まさしく欲しかった物が見つかった。来る日までは1ヶ月以上ある。


「よし、、絶対にうまくつくって、伝えるんだ、、私の思いを、、」


恋する乙女は、人知れずに夜の空に誓う。その制約がどんなことになるかも知らず。

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sleep waker ~午前2時に、二人きりで~ 数多怜悧 @amamiyayuiti

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