2ー9.病状

「と、言うことで、」


いくつかの確認を行い話が纏まったころで、千春さんが一旦話をまとめ始めた。


「私と旦那様カイトさんはしばらく私の家で過ごすから、二人は変わらず旦那様そっちの家で暮らしてくれる?」


「あー、了解です」


「じゃあ、そう言うことで、これで確認事項は終わりかな?


「あ、ハイ。ときにh「異論なし!!!」


「ウルセーヨクソ親父くそ親父、大体ココは病院だっつーの」


「すまんすまん、ついな~」


個室だったからよかったが本来だったら苦情が立て込んでいただろう。


「じゃあ、大人こっちは外で買い物に行くから、"二人だけ"で楽しんでね」


「了解、行ってら~」


二人が病室を出た後、そのままベッドに倒れる。

横に腰かけていたあの娘彼女は何が起きたか分からずに固まっている。


「痛っ、てー、、。脇腹が不味い、、めちゃくちゃ痛い、、」


「無茶してたんですか、安静にしておいて下さいよ!」


「いやいやいや、あの状況で起きない方が失礼でしょ、、にしてもねー、」


一息ついて、話す。


「昔から父さんの厄介オタクしてた人が父さんと結婚して?、実は父さんとオタクさんの間に子供がいて?、養子だった俺に本物の妹ができて、、何てこった、分からん」


「あはは、まぁ、そうですよね、、」


それから少し、部屋に沈黙が居座った。脇腹の痛みが落ち着き、水を飲もうとグラスに手を伸ばしたとき、彼女は語り出した。


「一つ聞きたいんですけど、昨日は何をしていたんですか?」


「あー、それ聞いちゃう?別にいいけど、俺も上手く答えられないからねー、」


「それは、どう言った、」


「まず、俺の病気についてはなそうか」


本音を言えば、この事は言うつもりはなかった。ただ、この同居人をこれからは"妹"として見なければならない。だったら話しておくことが重要だろう。いつ"あいつ"が出てくるかわからないから。


「まず一つ目、、俺は超重度の夢遊病を患っている。」


■■


「夢遊病、、って確か夜中に歩いちゃうヤツですよね」


「あぁ、ただ、俺のは他の人と比べ物にならないくらいにはひどい」


「それは、どういった、、」


「普通なら部屋の中を歩き回る程度だが、俺は特殊でね、行動範囲が家どころか町中にまで広がっている」


「え、そんなに、、」


「そして二つ目、確証がない以上難しいけど、これがまた面倒でね」


躊躇いを消すかのように息を一息吸ってから話し出した。


「俺は、二重人格だ」

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