2ー7.病棟と夕暮れ空

「ぁ、ぁあ、、いっ、」


目が覚めると、真っ白い天井、壁、そしてベッド。


「あ?なんd

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ」


体を起こそうとして悶える。脇腹が、いや、内臓が痛い。メキメキと痛む脇腹を押さえていると、扉が開く。


「おー、起きた起きた、調子はどうたい?」


「最悪だよ、あんたお前がこれやったんだろ?」


「ああ、俺がやった。あと、意識した方がいい、『すぐる』が出てきてる」


「ん、、あぁぁ、それでココか」


「あ、言っておくが"歩いた"だけだったぞ」


「そうか、なら安心だな。」


「まぁ、だからこそ渾身のボディーブローが決まったんだがな」


「元ボクサーの一撃受けて死んでないだけでも儲けものかね」


その後、医者からの説明を受けた後、二人で笑いながらいくつか馬鹿話をしていると、変わらぬテンションで古見こいつが喋りだす。


「あと、お前に二つほど報告」


「なんだ?、悪いバッドニュースから頼むぞ?」


「どっちもトゥルーニュースってところだ一つ目、お前のオヤッサンが明日には着くらしい」


「、、まぁいいニュースってことにしとくよで、二つ目は?」


「お前のオヤッサン、結婚するって」


「HUH?」


「んで、そのお相手は金咲ちゃんのお母さんらしい」


「HUH?」


「つまり、お前は同居人だった女の子と、兄妹きょうだいになるってことだ。」


「HUH?」


「なんだ?俺がヤギに見えてきた?」


「ああ、よく分かったな、、ってそうじゃない。いや、ちょっと待て、いやいやいやいや、、、HUH?」


「あー、ひとまず夕方にはこっちに来るらしいから待っとけよ。」


「、、HUH?」


■■


「ってわけで南極から直できたぞー」


「、、HUH?」


「ミームみたいなことを言うなよ、寂しいだろー」


「知らん、つか結婚したんかよ、いつの間にか」


「あぁ、前にストーカー紛いなファンがいるって言ったろ?」


「あぁ、金咲千春さんだっけ?処女作からみてるって言う、、金咲、、まさか」


「あぁ、金咲ちゃんのお母さんで、今は俺の妻だ!」


「古見の話ほんとだったんだ」


「なんだ?冗談と疑ってたのか?」


「そりゃそうだ、つかあんた一生未婚じゃなかったのかよ」


「そりゃあな、さすがの俺でも今更ながら責任感じたんだから大人しく受け入れるよ」


「責任?なんだそりゃ」


ベッド横にあるペットボトルの水を口に含んだ瞬間、くそ親父こいつはとんでもないことを言った。


「金咲澪ちゃんはねー、"俺と千春"の"子供"らしくてなー」


「、、HUH?」


「こっそり生んで育ててたんだと、俺を堕とす最終手段として。あぁ、もちろん愛情は注がれてるぞ!ま、これからは俺も注ぐけどな!」


「HUH?」


やけにまぶしい夕焼け空に、俺は何も感じず、目を開いていた。

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