相違編
2ー1.恥ずかしくってしょうがねぇ
この人と結ばれるには、まず徹底的に相手を知る事が重要だと思う。そう決意してからはや二週間、「私」こと、金咲澪は聞き込みや会話から抜き出した内容からちょっとずつ彼の事がわかってきた。
「柴田環(しばためぐる)
年齢、20歳 (だからか最近たばこを吸い始めた、銘柄もクールでかっこいい)
誕生日12月11日(ついこないだ!過ぎてしまった、、)
身長、186.4cm (いつも猫背だからか少し小さく見える、伸びたらでかい)
体重、64kg(細い!、元々太らない体質らしい)
趣味、料理(家庭的!)、ゲーム(レースゲームやサンドボックス型のゲーム)
etc...
ノート三冊文に及ぶ、「観察記録及び調査記録」は自分でも納得する出来になっている。しかし、、
「高校より前の情報がほとんど無いんだよねー」
「いや、それ以前にここまで調べてる時点でかなりヤバイよ?しかもこれがあと二冊、、もはやストーカーよりタチ悪いよ?」
ここしばらくの結果を試しに親友の古見雫(ふるみ しずく)に話して見ると、相変わらず苦い反応をされた。
「しょうがないじゃない、好きな相手を知りたいだってのはわかるでしょ?」
「いや、そこはわかるけどさー。、、やりすぎじゃない?」
「いやいや、そんなこと無いよー。」
「だったらどうやってコレとか調べたの!」
そのページには、過去の写真や昔の口癖など、「過去の柴田さん」が書いていた。
「えーっとねー、、お母さんにお願いしたんだ」
そう、今の私には心強い味方がいる。実の母にして、大手化粧品メーカーの代表取締役であり、今も「とある男」を追いかけ続けている恋愛の大先輩。化粧品も、「その人を追いかけるため」に「常に美しくなるため」作った。要は自分のために作っているようなものだ。
「いやいや、実家が太かったとしてもここまでやる?てか、それじゃあ答えになってないよ!」
「えっとね、お母さんって今も意中の相手を追いかけてるんだけどね」
「いやいや、その時点でビックリなんだけど」
「んでね、その人を追いかけるために"特殊なお仕事"を作ったんだって」
「あー、、なるほどねー。てかまって?じゃああんたはどうやって生まれたの?」
「むかし一回だけ追い詰めたときにワンナイトして、そんときにデきたらしいよ」
「、、マジかよ」
■■
「ん?なんだこれ」
リビングを掃除していると、見慣れないノートを見つけた。
「勉強のノートかな?、ちょっと見ちゃおっ、、、」
適当に開いたページをみた後、急いで閉じる。
「あれって、、むかし古見とやった野球拳の写真だよな、、なんであんの?」
おそらく、古見の馬鹿が渡したのだろうが、、
「マジかよ、、」
黒歴史の中でもトップのやつを持ってくるとは、、
「なんやこれ、恥ずかしくってしょうがねぇや」
顔を赤くしながら、ノートをもとの位置に戻す。言及はしないが、ひとまず今度古見とあったらぶん殴っておこう、そう決心した。
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