16.真夜中の秘密2

、、そろそろか。


深夜3時、コーヒーを片手にたった一人で夜を過ごしていた。


、5、4、3、2、1、、、カウントダウンと同時に自分に向けて一言だけ話す。


「Happy birthday 俺、、そして■■」


午前3時1分18秒、俺が生まれた時間、そして、、。


"あいつ"が死んだ時間、、。


「、、よし、気分を変えて、そろそろ"始めて"と洒落混もうか」


義理とはいえ息子を置いて、しかも同居人まで置いてたった一人海外に行ったあの父さんクソ親父も、唯一称賛に値する行動をしていた。


「高い酒、全部置いてったところは褒められるんだよな、、」


そういい放ち、机の中から一枚の写真を取り出し、ペン立てに立て掛け、ガラスのグラスを3つ用意する。事前に削っておいた丸氷が入ったグラスはカランと音を立てた。


「よし、それじゃあいただきますか」


事前に調べておいた、冷蔵庫の中にある酒のなかで"一番高い酒"、をいただく。


「にしても、30年物のウイスキーか、、しかも超有名な銘柄、、たった一瓶36万はするのか、、」


何でこんなもんを放置できるのかわからないが、ここはありがたく楽しませてもらおうか。


「それじゃあ、いただきます」


封を開けると、ウイスキーの薫り高い匂いが部屋中に広がる。グラスに注ぐと、明らかに薫りは増し、美しい琥珀色に目まで奪われた。


所長爺さん、俺、20まで生きちまったよ、、」


柳田 修一(やなぎだ しゅういち)、かつて"施設"にいた時どんなときでも味方でいた、唯一の理解者だった男。そして、血は繋がっていなくとも誰に対しても家族のように接してくれたみんなの爺さんのような人。'施設"から出たあとも進路に迷ったときや無性に誰かと話したくなったときなど、何度も助けてもらったが、、。


「まったく、やることなすこと速すぎんだよ、、。心の準備すらさせてくれないってのはどうかと思うけど、、」


半年ほど前、突如として帰らぬ人となった。持病が悪化した、と聞いているが詳しいことに関してはわからない。最後にあったときもいつものように「またな」と言ったのに、、


「、、それじゃあ、親愛なる"片割れ"と"嘘つき"に、乾杯」


酒の肴は特に無い、強いて言えばここしばらくの思出話くらい。ただ、、


「いや、うっっっっっっっっま!」


今日の酒は、むしろ無い方が楽しめそうだ。


■■


「ふぅ、、はぁ、、はぁ、ぁぁ、、、」


自分でも何をしているかはわかっている。時刻は午前3時を巡り、高ぶっていた心がかなり静まっていた。


「片しに行かなきゃ、、」


そう思ってさっき"色々なこと"に"使ってしまった"

彼の黒シャツと肌着をとる、、。


「、、ヤバイ、、めっちゃ"着いてる"、、」


何がとは言わないが、、結構着いてる、、。自分でもかなり激しいというのは知っていたが、、。


「"おかず"が充実したとはいえ、ここまでとは、、」


一旦"借りた服"を片しに行く。力が入らない足で、なんとか音を立てないように洗濯機の近くに行く。


「はぁー、、よし、あとは、、」


横のカゴに、、これだ!そう思い、洗濯機の上に置いてあった洗剤をカゴに落とす。洗剤の香りと"私の匂い"が混ざって(多分)わからないはず。


「これで、、いいはず、、、。」


自分のなかで何かが吹っ切れた気がする。さて、ここでようやく自分の気持ちの整理がついてきた。


「"彼が好き"っていうのがようやくわかったんだ、、絶対に私のモノにする離さない、、」


やることは決まった、、あとはこっちに引き込むだけでいいんだ、、。


「こう言うところは、"お母さん"に似たのかな、、」


そうどこか不適な笑みを浮かべながら、私は一人部屋に戻った。


~あとがき~


合計100pv達成!私の作品をみてくれた皆様、ありがとうございます!これからもより良いの作品を作れるように頑張っていきます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る