第75話
さて、意気込んだのはいいが、どうすれば良いか? 女性として扱う?
想像してみよう。
普段は鎧を纏った女騎士フレイナは、厳格で凛々しい姿を団員に見せている。
とても綺麗で巨乳でスタイルも良いのに、男性よりも強くて、だけど(可愛い)などの女性として認識させるような言葉に弱い。
だが、自身の肌を見せることには疎くて、恥じらいがない。
ならば、俺がする事は決まったな。
「確かここに」
クローゼットを開けば、新品の着替えが男女それぞれ用意されていた。
さすがは高級ホテルだ。
不測の事態を想定して、男性にはパンツとワイシャツを。
女性にはワンピースを用意してくれている。
他にも風呂上がりに着れるバスローブもあった。
「フレイナ、今から君に俺と一晩を過ごしてもらう。俺の指示には従ってもらうが良いか?」
「もちろんだ。緊張はするが、今は高揚もしている」
フレイナは戦いに挑むような顔をして覚悟を決めていた。
そんな彼女の意表をつくことから始めよう。
「なら、灯りを消すね」
「えっ?」
俺は許可を取る前に、部屋の灯りを消してしまう。
コーリアスは祭りの後で、街全体が静かに余韻を楽しんでいるようだった。
カーテンを開けていれば、月明かりや星の輝きで十分に互いの姿は見えている。
だから、そっとフレイナの体にライトの魔法をかける。
青白い光がフレイナを照らしていく。
「今、この暗闇の中で、フレイナは光輝いている」
「何の演出なんだ?」
「想像してみてくれないか? 君の体を一人の男がジッと見つめて独占しようとしているんだ」
「なっ! 何だか、その言い方は、さらに緊張を誘うな」
フレイナはギュッと自分を守るように腕を組んだ。
そんなフレイナの背後に回り込んで腰元から抱きしめる。
「うっ、はっ、背後は緊張するからやめてくれないか?」
「今の君は俺のいうことを聞くのだろ?」
「ああ、だがいきなり近づかれると攻撃してしまう」
「そうか?」
すでにデバフ効果は発動している。
本来の彼女よりも力が弱くなり、普通の女性と変わらない。
俺は彼女のブラウスのボタンを外して、ズボンを下ろした。
「服を脱がせるなら何も電気を消さなくても……」
「フレイナ。考えるな。感じろ」
「えっ?」
感度を上げるために、俺はバフ効果で彼女の感覚を鋭敏にする。
「んん!」
お腹の上で指を滑らせるだけで、快感に変わっていく。
今思いついた魔法だが、上手くできた。
「ハァハァハァ」
「フレイナの体を俺が触っているんのがわかるかい?」
「わっ、わかっている! だが、こんな感覚は初めてで」
「身を任せるだけでいい」
俺は暗闇で見えないまま、フレイナの下着も外していく。
何も纏わないフレイナの体を抱き上げて、そのままお風呂場へ連れていく。
「ひゃっあ!」
抱き上げただけで、全身が鋭敏なフレイナは快感で身を寄せる。
そんな彼女を浴槽にそっと入れて、体を温めさせる。
「ハァー凄く気持ちいい」
感覚が鋭くなっているので、お風呂の湯もいつも以上に感じられるだろう。
そこで俺は彼女の頭を洗い始める。
「んん、頭とは触られると、こんなにも気持ちが良いのだな」
「頭だけじゃないさ」
そのまま首へ、そして浴槽に浮いている胸に手を伸ばした。
その先端に触れた瞬間、フレイナの全身に電気が走ったように体が跳ねた。
「アハっ!?」
あまりの驚きに彼女は息を吐く。
そして、荒く何度も息を整えようとするが、ここからは手を休めるつもりはない。
「フレイナ。君は美しい」
「いっ、今は」
耳元で囁けば、顔を真っ赤にしたフレイナがこちらを振り返ろうとする。
そんなフレイナの唇にキスをして、舌を絡ませる。
普通にキスをする何十倍もの快感がフレイナの脳を刺激しているのだろうか?
「ンンンンンンんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!」
青白く光る彼女の瞳がトロンと溺れていく。
さらに女騎士の引き締まった体を浴槽に浸かりながら、泡立てて洗っていく。
「全身を洗うぞ」
「まっ、待ってくれ! もう、自分で」
「ダメだ。今日は俺のいうことを聞く約束だ」
「だけど! こんなの恥ずかしい!」
やっと羞恥心を自覚したフレイナは、両手で真っ赤な顔を隠してしまう。
だが、その美しい裸体は曝け出されている。
顔を隠せば体をほぐして、体を隠せば、キスを首筋にして、ゆっくりと指を滑らせる。
十分にお風呂を堪能して、俺はフレイナの体を拭いていく。
体をビクビクとさせながら、無言で俺を睨むフレイナに男性物のワイシャツを着させた。
「こっ、これは男性のでは?」
「身長が高いフレイナでも男物なら、大きいな」
ブカブカのワイシャツを着た赤毛の美人女騎士に満足して、俺はベッドへ彼女を連れていく。
だが、すぐに行為に及ぶ事はない。
「フレイナ、今度は君が俺に奉仕する番だ」
「奉仕? 何をすればいいんだ?」
「可愛く、俺を欲しいと言えばいい」
「かっ、可愛く?」
戸惑っているようだが、顔を真っ赤に染めながら、彼女は意を決したように…。
「わっ、私をソルトの女にしてほしい…で、す」
最後は戸惑って俯いてしまっていたが、ワイシャツのボタンを外していく。
フレイナの巨乳が、男物のワイシャツに包まれることで征服感を与えてくれる。
最大限痛みを感じないように、ヒールとバフ効果を重複でかけてフレイナの初めてを……。
♢
《sideフレイナ》
目を覚ました私は昨晩の恥ずかしい体験に頬を染めてしまう。
「そっ、ソルトがあのような方だったとは」
まさしく、私はソルトの掌で踊らされていた。
ラーナ様が経験豊富な変態紳士だといった意味に頷ける。
終始、訳のわからない出来事ではあったが、常に私のことを考えてくれたことが窺える。
暗闇になってからの私は警戒心が強くなって感覚が研ぎ澄まされていた。
ソルトが相手だと思って、攻撃してはいけないと体を硬直させる。
その瞬間をソルトは見逃さない狩人のように、私の体を蹂躙してきた。
抵抗など何もできないまま、ただただ快感が押し寄せてきて、私はソルトの女にされてしまったのだ。
「ハァー、こんな気持ちにさせられては他の男に行くなど考えられないではないか」
私は無防備に眠るソルトの頬を突いて、幸せな気持ちになってしまう。
ソルトは約束を守ってくれた。
最高な夜と、幸福な気持ちが私の心を占めている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
どうも作者のイコです。
エピソード 祭 は次の話で終わりです。
その次から、別の章へ移ります。
いつもコメントありがとうございます!
本当に励みになっております!
たくさんの方に読んでいただき、癒される日々です。
今後もよろしくお願いします!
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