第12話
ドラゴンゾンビの討伐を成し遂げて、クルシュさんの素敵なオッパイを目に焼きつけてしまった。
クルシュさんの整った容姿と、男勝りな態度はどこか中性的な美少年を感じさせられていた。だが、着痩せしているだけで、素肌を晒すクルシュ様は立派なOPを……。
いかん! 俺は先ほどから何を考えているんだ!
メイも、身長は低いが、ロケットのように突き出したOPと、可愛い下着が……。
はっ!? ダメだ。頭がバカになっている。
ホテルに戻ってから、思い出しては悶々とした時間を過ごしてしまっていた。
♢
ドラゴンゾンビを討伐した後は、冒険者ギルドに戻って討伐の報告をした。
「えっ?! もう達成されたのですか? 普通なら、何日もかかりますよ!? ドラゴンゾンビの周りにいるオークゾンビを排除するだけでも大変なのに」
トワに驚かれてしまった。
大量のオークゾンビは、クルシュさんとメイが排除してくれて、俺はドラゴンゾンビにだけ集中することができた。
ドラゴンゾンビに察知されるとは思っていなかったが、上位聖属性魔法を使ったことで辺り一帯を全て浄化することもできたので、瘴気が再度発生しない限りは大丈夫だろう。
「とにかく冒険者ギルドとして、確認を行わせてください」
トワの手配で、職員が外へ飛び出していった。
「後は、これがドラゴンゾンビの魔石だ」
「大きい! この大きさは確かにドラゴンの物に間違いありません!」
トワは驚いているが、他にもオークゾンビの魔石もある。
クルシュとメイは、報酬を受け取らないといっていたが、それは俺が断った。
彼女たちの活躍でドラゴンゾンビを倒すことができたのに、報酬が無しというわけにはいかない。
「あとクルシュさんたちが倒したオークゾンビの魔石を彼女たちの分配にしてくれ。ドラゴンゾンビの報酬は受け取らないと言われてしまったからな」
分配はそれぞれが倒した分だけ。俺はドラゴンゾンビの分を含めて均等に分配をしたかったが、そこは譲ってもらえなかった。
「わかりました。お二人は第四騎士団の所属ですので、フレイナ様に報告して、お二人に渡してもらうようにしておきます」
「ありがとう」
トワがこちらの意思を理解してくれる子で助かった。
冒険者ギルドの職員が戻ってきて、浄化された土地を確認してくれた。
改めて依頼達成と、魔石の買取、さらにドラゴンの骨の買取もしてくれたので、懐が随分と潤うことになった。
格好をつけて、シンシアとアーシャに多めに分配したせいで正直のところは懐が寂しかった。
ラーナ様の好意でホテルに無料で泊まれているので、お金を使わないで済んでいるが、経費の支払いをしながら、稼がないといけないとなると結構なストレスになってしまっているだろう。
「こんなにもか?」
「はい! こんなにもです」
冒険者ギルドから受け取った報酬は思っていた以上に多かった。
「まず、ドラゴンゾンビが上位の魔物であることはご存知だと思います」
「ああ、まぁ」
「さらに、オークゾンビを護衛として従えており、さらに周辺の浄化をするのに、どれだけの聖属性魔法を使える者を動員しなければいけないのか? ソルトさんはわかっていますか?」
熟練の聖属性魔導士なら、一人居ればいい。
まぁ、俺はたまたま冒険者として熟練度を上げる機会に恵まれていたから、一人でどうにかなった。
だが、熟練度が未熟な聖属性魔導士なら、10人はいるんじゃないか?
「どうやらご理解いただけたようですね。熟練者で最低3人。一般的な聖属性魔導士なら30人は必要になります。それだけの人員を集める大変さと、彼らの給料を払い、浄化に何日もかかることを思えば、これぐらいの報酬でも足りないぐらいです」
トワがどんどん迫るように凄い圧力で説明するので、俺は何度も頷いた。
10人じゃなくて、30人もいるのか? だけど、相性の良さを思えば、多くなくても大丈夫だと思うんだけどな。
「わっ、わかった。ありがたく受け取らせてもらうよ」
「はい! 今後もコーリアスの安全をどうかよろしくお願いします」
それまで真剣な顔をしていたトワが、不意に笑顔になるのはズルイと思うぞ。
美人に笑顔を向けられて、ドキッとしない男はいないからな。
何よりもミリアさんに負けない双子山が……。
「あっ、それとですね、今晩「ソルト殿!!」」
トワが何かを言おうとしたところで、クルシュさんの大きな声がそれを遮った。
「クルシュさん。ちょっと待ってもらえますか。トワ、今何か?」
「いえ、大丈夫です。処理は全て終わっておりますので」
「そうか? ありがとう。近いうちにまた顔を出すよ」
「お待ちしています……今度こそ!」
「うん?」
「いえ、お気をつけて」
「ああ、またな」
トワが小声で何か言っていたが、聞き取ることができなかった。
一先ず、トワに別れを告げてクルシュさんの元へ向かう。
「すみません。お待たせしました」
「いやいや、私の方こそ、話中にすまない」
「それで? どうしたんですか?」
「実は、今晩の夕食をラーナ様が一緒に取りたいと仰せでな。お時間の都合を聞こうと思ったのだ」
「夕食を?」
仕事が終わって一旦ホテルで休みたいと思っていたが、仕方がないな。
「わかった。ホテルに戻って準備をしてくるよ」
「ああ。よろしく頼む」
そう言ってホテルに戻ってきた俺は着替えをしながら、クルシュさんとメイのOPを思い出して悶々としていた。
「はぁ、こんなことをしている場合じゃないな。着替えてラーナ様の元へ行こう」
仕立て屋の主人が持ってきてくれた貴族と食事をする時用の服に着替えて、ホテルをでた。
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