第5話 7体も召喚しちゃいましたとさ。

ーダンジョン製作地ー


「おいクソゴブリン!任せていた作業は終わったか!」

「あっオヤビン。おかえりなさいでヤンス。もうすぐ終わるでヤンスよ。」

「ドアホ!私が帰って来るまでに終わらせておけと言っておいただろうが!」

「オヤビンが帰ってくるのが早いでヤンスよ。予定よりも1時間も早いでヤンス。」

「ドアホ!あらかじめ早く返ってくると察して終わらせておけ!」

「横暴でヤンス…。」

「まったく。何のために新たにゴブリンを召喚したと思っている。」

「お陰様でだいぶ楽になったでヤンス。」

「ドアホ!楽する為に召喚したのではない!作業を速くするために呼んだのだ!」

「分かってるでヤンスよ。ちゃんと彼らのおかげで作業スピードは上がっているでヤンス。」

「作業終わっていないではないか!」

「だからそれはオヤビンが帰ってくるのが早いからでヤンス!彼らはちゃんとやっているでヤンス!」

「なら、奴らがちゃんとやっていて終わらないということは貴様の指揮能力がポンコツだからといつわけではないかクソゴブリン!」

「へいへい。ポンコツで悪かったでヤンス。…ホント、オヤビンはあーいえばこーいうでヤンス。」

「何か言ったか?」

「言ってないでヤンスよ〜。」 


「ぐぎゃぎゃりぎゃ!」


「おいクソゴブリン。ドクソゴブリンが何か言っているぞ。」

「おー?なんでヤンス?」

「ぐちゅりばじゅら!」

「ん?終わったでヤンスね。ありがとうでヤンス。お菓子をあげるから、みんなで少し休んでいて欲しいでヤンス。」

「ぐきゃ。」

「へへ。嬉しそうに行ったでヤンス。」

「…私には何を言っているかさっぱり分からん。」

「オイラもヤンス。」

「…。」

「…。」

「ドアホ!なぜ貴様が分かっとらんのだクソゴブリン!」

「ゴブリンの鳴き声ってけっこう地域差がでるでヤンスよ。基本オイラ達ゴブリンは他地域と交流しないからその地域独白の鳴き声が発達するでヤンス。」

「なんだと!ならば指示など出せんではないか!貴様さては作業とかも適当にやらせていただろう!」

「大丈夫でヤンスよ。大体は気迫とニュアンスで分かるでヤンスから。オイラも知能低かった時はそうして相手の意を汲み取っていたでヤンス。」

「まぁいい。奴らがちゃんとできていなかったら貴様をシバきまくってやるからな!」

「へいへいでヤンス。」

「…それはそうと貴様を含めて8体もゴブリンがいると、キモすぎて魔術で蹴飛ばしてやりたくなるな。」

「絶対にやめてほしいでヤンス!」

「追加は一体だけにするハズが、ミノタウロスと同じ感じで魔力を籠めてしまったために、一度に7体も召喚してしまうとは…。私もヤキが回ったようだ!」

「…ところでオヤビン。」

「なんだ、つっつくなクソゴブリン!」

「あのゴブリンを見るでヤンス。」

「今手に岩を持っているやつか?」

「そうでヤンス!あの娘めっちゃ可愛いいと思わないでヤンス?」

「…。」

「いやぁ。オヤビンは適当に召喚すると言っていやしたけど、ちゃんと可愛い子を召喚してくれるなんて嬉しいでヤンス!」

「ドアホ!そんなわけあるか!ゴブリンなんぞどいつも同じキモ顔にしか見えんわ!」

「そうでヤンス?あの子の目元とかめっちゃプリティと思わないでヤンス?」

「全く持って思わん。」

「オヤビンはもっと異性に目を向けた方がいいでヤンスよ?」

「ゴブリンに欲情する人間なぞいるかドアホ!」

「痛っ!?殴ったでヤンス!!」

「殴っとらん!ツッコミを入れただけだ!」

「思いっきりグーパンだったでヤンス!」

「やかましいわ!さっさと次の作業をしてこい!」

「も〜わかったでヤンスよ。あの子にいいとこ見せる為にも張り切ってくるでヤンス!…あっそうだ。」

「なんだ?」

「今度街で可愛い人間見つけたら教えてあげるでヤンス!」

「やかましいわ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る