第20話 異世界転移
最後に貴羽の横で眠ったのは中学一年生の時だ。
勉強もご飯もお風呂も終わって、明日から夏休み、と言う時期。
夏だからホラー映画を見てから寝ようと話していた。パジャマのまま軽く一枚羽織って、最寄りのコンビニで炭酸ジュースやら、キャラメルポップコーンやらを買い込んだ。
そして二人で、雰囲気を出すために照明を消して、カーテンを閉めて。ワクワクドキドキ観始めたホラー映画は、思いの外リアルで。
私はいつもの部屋に一人で眠ることが怖かった。だから貴羽の部屋へいき、二人で寝たのだ。
貴羽は困ったような苦笑いだった。なんとか頼み込むと、貴羽は折れたように部屋に入れてくれた。貴羽の部屋のはずなのに、貴羽は私にベッドを勧めた。
ベッドの下を見るのが怖いんじゃないか、なんて、私の思考を先読みしたような返事に、返す言葉もなく。貴羽の厚意に甘えることにしたのだ。
貴羽はずっと横で、私が寝るまで起きていた。
懐かしい思い出だ。
「聖女様!」
「聖女様が降臨された!」
そんな声で目を覚ます。
周りは一面、草花が風に揺られる平原。空は気持ちが良いくらい澄んだ水色。
「アオちゃん!?」
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