第14話 守りたい
――あの時の女子生徒! 確か制服のリボンは黄色。つまり上級生。もっと言えば三年生だ。
ついこの間、下校の時に噂のイケメン先輩に声をかけられていた。その時にこちらを見ていた上級生がその過激なファンだろう。私は気が付いていたのに自分のことばかりですっかり忘れていた。
バン!
先ほど閉めたばかりの扉を勢いよく開く。教室にちらほらいた生徒がこちらを振り向いた。
ドサ!
持っていたスクールバックをその場に落として走った。
――私が呼び出すとしたら、人目につかないところ。屋上は私が呼び出されたからおそらく危険。校舎裏は、誰でも思いつく。だとしたらーー。
これから朝礼。みんな体育館へ移動し始めている。連れ出すとしたら体育館から一番遠い、特別棟の奥の階段だ。ここは基本的に誰も使わない。三年生はたまに告白などをここでするようだ、と聞いた。
通り道の三年生の教室を覗いてみる。
――メガネ、邪魔!
メガネを制服のシャツのポケットに差し込む。いつもはおろしている前髪をかきあげる。
走りながら見る三年生の教室のどこにもあの時の女子生徒はいない。まだ教室に帰っていないだけで、アオちゃんもどこかへ用事に行っているのでは、と望むばかり。
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