やったね、魔法世界!「SF亜空間ネットワーク」で別世界に飛ぶと、魔法の搭が輝き…

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 この世界の常識。それは、SF的魔法力の神様が変わっているということ。

別世界に変わった搭が建ったと知った彼は、さっそく、便利なものを立ち上げてみた。

「SF亜空間ネットワーク」

最近は、パソコン仕様からスマホのアプリにもなったことで、人気上昇。

「へえ。変わった搭、か」

「そうそ」

「いっても、良い?」

「早く、見てみたいな」

「今から、こっちの世界にくるの?」

「ダメか?」

「いや、良いけど」

「じゃあ、頼むよ」

「…」

「俺には、できないからな」

「…はい、はい」

「時空の操作からの転送は、君の得意分野だろう?」

「まあな」

「飛ばしてくれ!」

それから10分たたずして、友だちの待つ世界へ飛ばしてもらえた。

異世界ネットワークで知りあう友だちというのもまた、便利だ。

「あ、あれか?」

なるほど。

別世界の町の中心に、緑色の不思議搭が建てられているのが見えた。

「おお…」

ひょろっと、上空を目指してそびえる搭。

「高い。キリンでも、住んでいるのか?」

搭の入口というのか出口は、いくつかの小窓を除けば、1ヶ所のみのようだ。

このとき、面白い光景が見られた。

法衣などを着た、パッと見魔法使いらしき人々が集まり、ペタペタ、搭に手をつきはじめたのだ。

「あ、魔法使いたちの顔色が良くなっていくぞ!」

搭は、魔法力を回復させるような、充電器に近い存在なんだろうか?

「ギ、ギ、ギ…」

おっと。

搭の扉が、開きはじめた。

そこで彼は、この搭の真実を知ることになる!

「あ、お出ましだ!」

「お出ましだぞ!」

「魔法神様!」

「魔法神様!」

何だ?

搭に群がっていた魔法使いたちが、搭から顔を出した何かにひれ伏した。

祈りを、ささげているのか?

「あ!」

扉から顔を出したのは、1頭の、背の高いあの動物。

「キリンじゃないか!」

すると、悲劇。

搭の近くにかけ寄った彼は、そのキリンにおしっこを引っかけられてしまったのだ。

怒ろうとする、彼。

が、まわりに怒り返されてしまう。

「君?怒るな!」

「むしろ、喜べ!」

「あの方だぞ!」

「あの方!」

「あの方!」

言われて、イラつくだけ。

「何で、怒られるんだ!つか、あのキリンは何?」

聞くと、この世界に呼んでくれた友だちが爆弾発言。

「知らなかったのか?この世界では、キリンがSF的魔法力の神様なんだけど」

それ、早く言ってよ。

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