弐話

 クラス全員が寮へと移動し自分の寮番号のところへと向かった。ちなみに俺は4階403号室だった。


「さてと、ここに今日から住むのか…… 確か、ルームメイトがいるとかなんとか言ってたような…… まぁいいか入ればいいことだし」


 そうして、俺は扉を開け部屋にへと入っていった。そしてそこには、一人の男子生徒がベットに腰かけていた。俺が入ってきたことに気づいたのか振り向きこちらを見てきた。


「お前が、相部屋のやつか」

「そうみたいだな 俺は名城弥ツカサ そっちの名前は?」

「ルーベ・シャーマイド」

「よろしく、ルーベ」

「あぁ…… ところでお前、同じクラスだろ1/2の」

「そうだが なにか?」


 ベットに腰かけていたルーベは立ち上がり、俺の方に近づいてきた。


「お前、なんで帽子なんかかぶってんだ 室内だぞ」

「へ?」


 俺は戸惑いを隠せなかった。 急に近づいてきて、言われた一言目がそれだったのでいまいち理解できてなかった。


「あー えっと…… いろいろ事情があるからかぶってるんだ それに気に入ってるから……」

「確かに、お前みたいにかぶってる奴はいくらか見かけた だがお前だけは何となく違った 何か隠してるだろ」

「何もない 本当になにもない」


 俺はそういったものの、ルーベは強引にかぶっていた帽子を取り、ベットにへと放り投げた。


「ちょっ! 何すんだ!」

「お前、異種族なのか…… なるほど、どおりで他とは違うわけだ それも女ときた 意外だよ」

「異種族で何が悪い それに女呼ばわりすんな」


 異種族、この世でたった2割ほどしか存在しない種族である。この種族は人間の数倍の身体能力を持ち合わせ、異能力でも数段実力の高いものを使用できる。ちなみに異種族は獣耳が生える。なので、異種族関連の事件も少なくない。


「なんだよ、俺に何かするつもりなのか?」

「するわけないだろ、くだらん」

「じゃぁ何が言いたいんだよ」

「荷物片づけろ 以上」


 そういうと、ルーベは机に行き何か作業をし始めた。俺は、カバンをベットに置き、放り投げられた帽子を取って、片付けをし始めた。


数時間後……


「これで終わりっと…… 意外と多かったな しかも夜だし ってかまだ作業してるのか」


 俺は、ルーベの机に向かい、後ろから覗き込んだ。ルーベは一瞬顔を見るがすぐさま視線を戻した。


「これは……拳銃か」

「一番使い勝手がいいし、作業全般が一人でやれる 効率的な武器で威力もある」

「なるほど 俺にはわからないや 刀一本でいままでやってきたから」

「それは異常だな 基本的に接近戦オンリーだ そこまで相手の間合いに入れるかわからないのによく使えるな」

「まぁ師範のおかげでもあるし、異種族だからかもしれないな」

「武術ぐらいはできるのか?」

「一応、間合いに入ったら刀だけじゃなくて肉弾戦でもいけるようにって」

「変わった師範だな」


 その後、食堂や風呂などに行き、そのままベットで寝てしまった。

(いけるのかな……俺は…… 眠い……)

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