異能力を使わなくてもフィジカルだけで生き残るから

白江瀬名

壱話

「やっとここに通えるのか。 長かったな~ さてと、行きますか!」


20xx年、この世界の人口は7割が異能力者が占めていた。その異能力者を専門に対処を行う機関、ゼロニクス… そのゼロニクスが運営、管理を行っている教育機関ゼロアカデミー… すべての異能力者の教育そして能力向上へ向けて活動している。


 俺は、名城弥ツカサ 日本から遥々この学園に来た。ここに通うことは俺だけでなく全員が憧れることだ。その学校に通えるだけでもうれしい限りだ。


 この学園は、大陸からは遠く離れたところにある1つの島に建てられている。また、その周りにも都市が形成されている。


 そして、これから式が始まろうとしていた。


「皆さん、このゼロアカデミーへのご入学、心よりお祝い申し上げます。 わたくしは、このアカデミーで校長を務めさせせていただいていますレノム・ルーベルトと申します。このアカデミーですべての学生が成長できるよう尽力して参ります。」


 すべての話が終わると、クラスごとにそれぞれ振り分けられた。そして、俺は1/2になった。5クラス、結構多い… そして全員教室にへと足を運んだ。


 「全員、席には付いたようだな。初めまして、このクラスの担任のバメリア・ルーカスだよろしな。早速だが、最初に校内案内をしようと思う。廊下で整列して4年生についていくように。それじゃあ移動!」


 この世界の異能力者というものは、一般人よりも優れた身体能力を生まれながらに持っている。それに加えて、それぞれ、異能力というものを持っている。例えば、氷を自由に扱える人や、空を飛んだりすることができる人だっている。それぞれが何かしらの能力を携えていた。


 能力にもそれぞれ階級がある。B、A、S、X、R、この5つから階級がなっている。一番多いB、これは異能力者の2割がこの階級にあるがほとんどの人はすぐに通過できる。2つ目A、ほとんどがこの階級で3割ほど占めている。基本的にこの学園に通うための最低条件でもある。S、ここから急激に人数が減り1割ほどしかいない特別な階級だ。そしてX、一割未満でありそのほとんどがゼロニクスの最高地位に君臨している。最後に、謎多きR、この階級の存在を誰も知らない、というか存在しているかすら怪しい。しかし、何故か階級表には掲載されていた。その存在を知るものは誰もいない…


 一時間後…4年生による、学校案内が終了し皆はある場所へと向かった。グラウンドだ、そこで皆はあるモノを受け取った。それは、武器である。この学園では、各自2つ武器の所持が許されていた。ただし、あくまでも校内のみでの使用で校外での使用は原則禁止である。俺がパッと見で目に入ったのは能力のアシストをする杖や能力と合わせて使う槍や剣、弓…それぞれ個性豊かなモノを持ってきていた。そして俺は…


「次!名城弥ツカサ!」

「はい!」


 俺の、名前が呼ばれるとすかさず教師のもとへと向かった。


「君のはこれで、間違いないかね?」

「はい、間違いありません。」


 俺が受け取ったのは、日本刀、二本だ。俺にとってはこれが一番扱いやすい武器だったし、この刀は師範から譲り受けたものと俺専用に打ってもらった特別な二本だ。

 全員が教師から受け取り整列した。そして、目の前に現れた教師から話が始まった。


「皆さん、これから4年というとても長い期間この学園内で過ごすこととなります。どんなこともこの人達となら乗り越えられる。そう思い、そして一人一人が飛躍的な成長をすることをきたいしております。私からは以上です。」


 話が終えると、クラスごとに教室にへと戻っていった。教室に戻ると机にそれぞれ数字が割り振られていた。担任のルーカスによるとこれは寮の部屋番号であり二人一組の部屋割りだという。そして、その部屋割りを黒板に貼られている寮の地図を確認しつつ、全員が荷物をもってその部屋へと向かった。そのまま、今日は解散となった。

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