参話
翌日、ルーベと俺は1/2の教室にへと向かった。教室には、すでに数名の生徒が居り何人かで固まって話したり一人で本を読んでいる者もいた。俺は席に着き、ホームルームまで本を読んで待った。
「何読んでるの?」
「え? これだけど……」
そう言って、俺は読んでいた本の表紙をその人に見せた。
「{黄昏るのにいいところ}…… なにこれ……?」
「そのままの通りだけど{黄昏るのにいいところ}」
「もしかして、落ち込んでたりするの?」
「いや、何もしたくないときにどこ行けばいいかわからないから というか、誰?」
「あぁ、私はリマン・ルージュだよ よろしくね」
「名城弥ツカサ よろしく」
自己紹介をしたぐらいでチャイムがなり、全員が席に戻った。そのタイミングで担任も入ってきてホームルームが始まった。
「入学して早々だが今日から本格的な授業がある 忙しくなるとは思うが気を引き締めて頑張ってほしい それにそのうち面白いイベントもあるからね それじゃぁこれで終了します!」
ホームルームもすぐに終わり、一限目が始まった。内容に関しては、一年でそこまで難しいわけではないがさすがに最新の学園なだけはあった。内容もだが教科書自体も事細かに記載されている。これはこれで詳しく知れるからいいのだが、情報量が多すぎる……頭に入らん……
「さすがに情報量が多すぎるぞ、この教科書……」
「やっぱりそうだよね、全然頭に入ってこないよ」
「ルージュか やっぱそうだよな」
リマンもさすがに、苦笑いでごまかしていたが隠しきれてはいなかった。そしてそのまま二限目から四限目まで、同じようなことの繰り返しだった。そして、昼は食堂にへと向かった。
「俺でもきついよ、あの量と内容は」
「ルーベ なんでついてくるんだよ」
「ルームメイトだろ こっちはいろいろ話もあるからな」
「それはいいけどよ それとなんでルージュまで来てるんだよ」
「いいじゃない、始めて話しかけたのあなただし」
「はぁ?」
話しているうちに、三人は食堂に到着しそれぞれ注文をして、食事をした。
「そういえばさ、ほかのクラスにどんな人いるんだっけ? なんか見たことあったような名前がいくつかあったけど」
「あぁ~ 入学試験トップ通過のビハインド・ギザール 御曹司の息子のリーマインド・シューべクト 他には……」
「ん? 何の話だそれ」
「聞いたことのある名前でここに通ってるのを言ってたんだ」
「ふーん 興味ないな」
「あらら……」
三人は食事を終え、教室にへと足を運んだ。その途中にツカサは自販機に行った。ルーベとリマンは先に戻った。ツカサが飲み物を買って、戻ろうとしたら近くで怒鳴るような声が聞こえた。
「おいお前、どう責任取るつもりだぁ?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼」
「おれの服にぶっかけといて、謝るだけで済むと思うなよ!」
「いたぶって、体で覚えさせないとね」
「おーい、何やってんだー」
「あ゙ぁ゙?」
三人で一人を脅していた、ところに俺は何もらからずそのまま声をかけてしまった。案の定、からまれてしまった。
「なんだてめぇ‼ おれらとやるつもりか?」
「うーん、まぁいじめてるなら止めるけど」
「なめやがって‼」
そう言うと、三人いたうちの一人が殴りにかかった。しかし、ツカサは最小限の動きで避け右足を引っ掛け転ばした。
「こいつ‼」
残りの二人も襲い掛かってきたが、軽く投げ倒した。
「なんだこいつ、強すぎるだろ!」
「あんたらが弱いからや」
「くっ!」
倒れてる三人のところへ少し近寄り一言俺は言った。
「このことは先生とかには言わないから、二度とこんなことするなよ」
「くそ!覚えてろよ!」
そうすると、三人組は慌ててその場から逃げ出した。俺は倒れていた男子生徒に声をかけた。
「大丈夫か? けがとかは」
「大丈夫……ありがとう、助けてくれて……」
「気にしなくていい、立てるか?」
俺はその男子生徒を立ち上げて医務室まで連れて行った。
「ごめんなさい ここまで運んでもらって」
「いいよ別に、それとこれ、さっき買ったお茶だけど君に渡すよ」
「え? いいよそこまでしてもらおうとは……」
「いいから、それじゃあお大事にな」
そうして俺は医務室から出、再び自販機に戻り飲み物を買ってから教室にへと戻っていった。
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