デスゲームの主催者は家族らしい

ヨガ

朝日 樹

 デスゲーム その大半は死を伴う危険なゲームであり、大体勝利すると生存が保証され、巨大な報酬が得られるが、敗北すると死亡する。


 そして、世の中にこんなデスゲームを主催しようとする主催者は、数え切れないほど多くいる。


 人間性を見極めるための自称革命家、あるいはただの醜い争いを見たいための愉悦犯……他に日記やメールなど、財団ものの権力者とか……世の中は、デスゲームを主催しようとする人が数え切れないほどいるものだ。


 そう、たとえ――それは家族でも!


 ****


 な、なんてことだ!


 いったい、何でこんなことが起きるんだ――


 僕の名前は、朝日 樹。中学三年生の14歳!


 成績はちょっとダメダメで、それでも元気に過ごしているごく普通の男の子。片思いの子がクラスメートの涼子さん。彼女は可愛くて、成績優秀な優等生。僕とは全然雲泥の存在。


 でも、そんな僕は、まさかこんな日が来るとは思わなかった。


 学校の授業はつまらなくて、僕は、授業中にうっかり寝てしまった。


 “「おい!朝日……」”


 “「朝日!」”


 “「はぁ……仕方ないな。」”


 それは僕が眠る前に、薄々聞こえた声だった。


 でも、僕は次に起きたら――


「な、なんだここは!」


 ――僕は知らない部屋にいた。


 白い一面の壁。中央に一枚の机だけが置いてある。


 そして、


「あ、ああ!」


 僕が片思いの子、クラスメートの涼子さんは、あの机の上に寝かされている!


 多分僕の声に起こされたんだろう。彼女は目をこすって、僕と同じようにすぐ見回した。


 次第に、ちょっと不安な表情で僕に言った。


「え?え?朝日くん……ですよね?ど、どこですか……ここ?」不安で仕方ない彼女は、かなりどもる感じで言っていた。


「ぼ、僕も、全然……わかりません。」この時、僕はまだ彼女と一緒にいることが夢なのかと思って、全然彼女の言動に違和感を気付かなかった。僕はとりあえず首を横に振って、彼女に答えた。


 ……


 そして、僕たちはしばらく会話していた後、僕は先に提案した。


「とりあえず、このままじゃダメですし……出口を、探しましょうか?」少し気まずい。気まずいけど、ちょっと嬉しい自分もいる。


「あ……あ!うん!そうですね!」彼女は一瞬戸惑って、頷いた。


 そして、彼女と僕は部屋の中に出口を探していると――


 カチ


 うん?


「なんか……」何か押されたような音が――


「ど、どうしました?朝日くん!」ーー涼子さんは慌てて僕のところに駆けつけた。


「うん?いや、なんか――」更に僕は何を話そうとすると、ウィーンと、明らかに機械の音が天井からゆっくりと下りてきた。


「な、なんだ!アレは!」


「い、いやっ、た、たぶん、プロジェクターだと思います!」涼子さんが言ったことに、僕は天井からゆっくり降りてきた機械をよく見ると、確かに!と思った。


「でも、なんでプロジェクターが……」僕は疑問を浮かぶ途端、


 ざざ、ざざ……プロジェクターから映像を投影し、不気味なものが壁に映っている。しかし、その不気味なものをよく見ると、ただのお面をかぶっている人だった。


 次第に――「やー!ようやく起きたのか、朝日 樹くんよ!そして、春日部涼子よ!」その声は明らかに加工した声だった。不気味その上ない……が、ビビることはない。


 それでも、僕は少し涼子さんの前に恰好つけたかったから、あえて強引な口調で言った。


「だ、誰だ、お前は!何で僕たちの名前を……」僕はただこう言っただけだが……直接相手に連続の舌打ちをされた。


「チチチチチチ……ダメだろう、樹。いくら涼子ちゃんの前に恰好つけたいからって、おやに――っ」「コホコホコホ、コホコホコホっ!」涼子さんは突然咳払いをして、僕の気を引き取られた。


「だ、大丈夫ですか!涼こっ、違う、春日部さん!」


「……だ、大丈夫ですよ!朝日くん。」


 何でだろう……こんなにコホコホして……


 僕はなんで、こんなににコホコホしてる様子が可愛いと思ってしまうんだろう!


 僕はなんてことを考えているんだ!彼女は今、


 「そ、そんなことより!なんで、私たちの名前を知っているの?それに、私たちをここに攫って、何をするつもり?!」こんな真面目な目付きで、画面の相手に話しかけているのに!


 そのお面をかぶっている人はコホンと咳払いして、こう言った。


「たしかに、失礼!……ま、君たちの名前を知っているのはほかではない。すでに君たちの人間関係、人生まで把握ずみだからである……ええー……それで……ええと……(パラパラと紙をめくる音)俺は……いや!私はお前たちをここに攫って、当然これもほかでもない!」お面の人はここで一歩置いて、


 続いて「……デスゲぇムを行おうと思っているからですよ!わあは・は・は・は。」と言った。


 なんだ、その笑い方は……


「というかその笑い方――」「デ、デスゲームだと?!」涼子さんは突然僕の話に割り込んできた。


「ひどいです!なんてことをするつもりなんですか!」


 あれ、涼子さんの目、どうした?!


 ずっと、パチパチと、まるで目が悪いような動き……


「涼子さん、だいじょっ」「そりゃあ、殺し合うためだろう!」涼子さんの目に関心するつもりなんだが、僕はこの話を聞き逃さなかった。


「殺し合う?!そんな、僕たちはそんなことを――」「あ、朝日くんは何が言いたい――」「ええ、そのことはこちらちゃんと――」でも、声が三重に重ねて、何もかもがぐちゃぐちゃになった。


「ストープっ!」でも、涼子さんの強引な止め方によって、次々と僕までもみんなが言いたいことを整理できた。


「ええと、朝日くんはさっき何が言いたかったんですか?」


「え?ああ、殺し合う?!そんな、僕たちはそんなことをできませんって……」


「いやっ!違います!樹君!もう一つ前の!」お、おお……真剣攻めの涼子さん……


「……涼子さん、だいじょうぶですかって聞きたかったんですが……」


「……よっし。うん!私の目は大丈夫ですよ!」


「それなら良かったです!」


 うん?あ……!そういえば僕、涼子さんの名前を直接に言っちゃった!だからあんなに真剣攻めなのか!


 僕は謝ろうと次の瞬間、涼子さんはすでにお面の人に聞いていた。


「それで、デスゲームの主催者さんは、何が言いたいんですか?」さすが涼子さん!こんな時でも強気でいる!


「あ、ええと……つまり、君たちは殺し合いたくないということも予測済みですから、もう、変換しました!」


「な、何だと?!僕たちの考えはずっと予測されている?!ずっと……手のひらで踊らされているということ?!」たしか”手のひらで踊らされている”はこういう使い方だ!僕、覚えているぞ!


「おおー……(パチパチ)いや……そうさ!その机を見てみろ!」


「つ、机……」そういえば、涼子さんはさっきあそこにいたから、ちゃんと検査しなかったが、今よく見れば――


「紙が……!」ーー驚いた。


 いつのまに?!


「い、行こう?朝日くん。何を書いているのか、一緒に見に行こう?」


「あ、ああ!」


「そうさ!しっっっかり見て、よく解いていくんだぞ。」僕は後ろのお面をかぶっている人の声を聞いて、嫌な予感がした。


 カチャカチャカチャ……僕は、この音を聞いて、なぜか嫌なものが浮かんでいた。


「というか、この音……」「ああ!あああ!ああああぁああ!気のせいです!朝日くん!気のせいです!」突然大声を出した涼子さん。


「そ、そうですか……」


「はい!そうです!」


 カチャカチャカチャ……


 そして、僕は机のところにたどり着くと、自分の目を信じられなかった。


「まさかこれは……」


「ええ。そうだ!……もうおっけです……」


 机の上に置いてある紙は……数学の問題用紙だ!


「数学のテストなんだよ!」お面の人が言った。


「な、なんて恐ろしいことをするんだよ!これが……これが、デスゲームなのか!」僕はお面の人の方に向かった。


「こんなことをして、お前は楽しいのか!」


「だから樹!あの口調は――」「あ、あの!大丈夫ですよ!朝日くん!私が、側にいますから!」


 何という心強い言葉だ!でも……でも!


「で、でも僕はやっぱり……!」


「朝日……ううん!樹君!私たちは、やらなければいけません!」


 はぁっ!名前、呼ばれていた!


 正直、僕の身に起きたことはいったい何のか、わからない。


 いったい、何でこんなことが起きているのかわからないが……それでも……


「デスゲームを通して、数学の成績を、上昇しましょう?」それでも、涼子さんがいれば、僕は何でもできる気がする!


「わかった!こんなデスゲームを……ぶち壊そう!」


「「おおーー!」」


 ……


「……頑張れよ。息子よ。そして、ありがとう。」


 涼子ちゃん。

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