第4話
「おともに黒猫のミーオをつれていけ」
部ロスクが聖歌に命令した。
「ゲッ、足手まとい」
「誰が足手まといじゃ」
ミーオが猛抗議した。
ミーオは緒能力猫で他人の運命を
自由自在に操ることができ、そうして
遊ぶのがゴロにゃん趣味だった。
「このクソ猫。ひとさまの運命を
好き勝手にもてあそびやがって」
「できるんだから仕方ないもん」
ミーオは悪びれない。
「今度はオレをどうしようって腹だ」
「不動産売却特級資格認定者、菅平国清さまに
会わせる」
「なんのために」
「オマエの恋の矢をへし折るために決まってる
じゃないか」
「知ってたのか。オレが國清さまに
恋してるのを」
「オレを誰だと思ってるんだ」
ミーオが胸を張った。
「オマエの恋路を邪魔することだけが
オレの生きがいなんだから」
「イヤな猫」
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