「小説は誰でも書けますしなんなら寝ながらでも書けます」
「文字の読み書きが出来てアップロードが出来れば誰でも小説書けます。小学校出てれば書けます。だから皆さん○○×□□を書いて私に読ませてください」
という話を、前世(二次創作)のイベントのアフターでした事があります。
(マイナーなカップリングの民だったのでとにかく何時も飢えていたのです)
その時一緒だったのは漫画描きさんと字書きさんが半々? 漫画の方がちょっと多め? くらいで、字書きさんは「そうそう誰でも書ける」と頷いてくれる訳ですが、ある漫画描きさんは「書いても書けなかったんよ」と仰る。
漫画を書くのは大変です。
なんせ大前提絵を練習しなくてはならない。
「書けなかった」と仰った方はプロデビューもされている凄く上手な漫画を描く作家さんです。
その方が小説を書けなかったと仰る。
書きたくない訳ではなく、気分転換にちょっと小説書いたりしても良いかな? ってお気持ちはあるらしい。でも書けないと。
「書いても小説にならないの」
なるほどなるほど。
それ、縦縞も覚えがございました。
「アレですか、台本みたいになっちゃったんですか?」
「そうそう。小説になんないの」
さてさて。
このエッセイを読んでくださってるのは、殆どの方が「小説を書いている人」だと思うのですが、もしかして「読み専の人、今から小説を書きたいと思っている人」も居るかも!
そんな気持ちで、縦縞なりに「小説を書く時のコツ」みたいなものをちょこっと書き留めてみようと思います。
書き手の皆さんは是非半笑いで見守ってください。
さてさてさてさて。
まず、タイトル通り、「小説は誰でも書けますしなんなら寝ながらでも書けます。小学校出てれば書けます」むしろウトウトしてる時の方が面白い文章書ける説すらあります。(え、私だけ?)
内容の善し悪しなんてどうせ後から着いてきます。最初から上手に書けなくて全然良いのです。
先ずは十行くらいの短文でも良いので、好きなものを自分なりに「書いてみる」のが一番大事です。
頭にある物語を、目に見える形でアウトプットする。
これができるのは100人に1人くらいの人です。先ずは100に1人の逸材になりましょうぜ。
二次創作でも一次創作でも構いません、大好きな子を想像して、その子の一幕を切り取って書いてみる訳です。
一幕が思いつきませんか?
ならば、「大好きな子が窓辺で紅茶を飲んでいる」それを想像してさらっと書いてみましょうか。
――――――
アキラは窓辺のテーブルで紅茶を飲んでいる。
――――――
よっしゃこれで私も100に一人の逸材だ! ヤッタネ!
ん? でも何か硬いですね?
そう思いつつ、ちょっと続けてみましょうか。
――――――
アキラは窓辺のテーブルで紅茶を飲んでいる。午後の日差しがあたたかい。
何となく注文したアイスのミルクティーはちょっと甘すぎた。どうしてコーヒーにしなかったんだろうと、少し後悔し始めている。
――――――
うーん、何か台本っぽい! なんでだろう?
改善策を自分なりに提示してみます。「こんなのもあるよ!」という心優しいお方は是非コメント欄へ。
さてさて。改善策です。
【文章の頭に人名を持ってくるのをなるべく少なくする】です。
文頭の「アキラは」の部分ですね。絶対頭に名前入れちゃダメ! という訳ではなくて、「あんまり入れないように意識する」様にしています。
「アキラは」から始まらざるを得ない文章もあります。その時の為に温存している感じです。
「𓏸𓏸は× ×した」は台本っぽくなりやすい文章です。全く使わないというのは不可能ですし、全然使っていいのですが。
(「メロスは激怒した」とか初手のインパクトあって最高ですし)
書き慣れてない初心者さんは台本モードに陥りやすいので、とりあえず外す方に意識を向けた方が良いかと思います。
尚、異論は認めますのでコメント欄へGO!
「アキラは」を外してみましょう。
――――――
アイスのミルクティーはちょっと甘すぎだ。
氷がカランと音を立てる。
どうしてコーヒーにしなかったんだろう。アキラは少なからず後悔したが今更遅い。
「シロップは入れますか?」と言われて迂闊に返事をしてしまった自分が悪いので、誰に文句を言うことも出来ない。
午後の日差しは柔らかくて居心地は良いが、待ち人が来るまでの相棒が甘ったるいミルクティーだけだと思うと、少々重い気持ちになった。
――――――
おっ! 何か小説ぽいぞ! あと何か勝手に待ち人が増えた!
文章の頭に付ける人名。
これ、人物が2人に増えると途端に台本ぽさが増します。
文章の頭に人名をつけて2人に増やしてみましょう。
――――――
アキラは窓辺のテーブルで紅茶を飲んでいる。午後の日差しがあたたかい。
何となく注文したアイスのミルクティーはちょっと甘すぎた。どうしてコーヒーにしなかったんだろうと、少し後悔し始めている。
アキラが殆どミルクティーを飲みきった頃、ようやく待ち人が喫茶店に入ってきた。
「ごめん、お待たせ」
ヒカルは遅れてきたことを詫びて、申し訳なさそうに座った。
「何飲んでるの?」
「ミルクティー」
「美味しい?」
「甘すぎた」
ヒカルはふふっと笑う。
「じゃあ私もミルクティーにしようかな」
――――――
だ、台本(のなりそこない)だー!
頭に人名入れないバージョンも書いてみましょう。
――――――
アイスのミルクティーはちょっと甘すぎだ。氷がカランと音を立てる。
どうしてコーヒーにしなかったんだろう。アキラは少なからず後悔したが今更遅い。
「シロップは入れますか?」と言われて迂闊に返事をしてしまった自分が悪いので、誰に文句を言うことも出来ない。
午後の日差しは柔らかくて居心地は良いが、待ち人が来るまでの相棒が甘ったるいミルクティーだけだと思うと、少々重い気持ちになった。
グラスの中が溶けた氷ばっかりになった頃、待ち人はやっと店に入ってきたらしい。
「ごめん、おまたせ」
申し訳なさそうに言うのに「別に」と首を振ると、ヒカルもおずおずと年季の入った椅子に座る。
「何飲んでるの?」
「ミルクティー」
「美味しい?」
「甘すぎた」
不貞腐れて言う俺に彼女はふふっと笑って、
「じゃあ私もミルクティーにしようかな」
なんて言ってメニューをめくった。
――――――
小説っぽい気がする!
(気がするってなんだよ)
(考えるな! 感じろ!)
文章の頭に人名を持ってくるのを避けると、自然と風景や人物の描写に力が入る気もします。
小説を書く時のコツや工夫、各々方懐刀のように隠し持っていらっしゃるんじゃございませんか?
えー聞きたーい!
とりあえず、「小説書きたいけど書いた事無いぜ!」というそこのあなた、書きましょう今すぐ。大丈夫。ゴロゴロしながらでもウトウトしながらでも書けます。
シチュエーションが浮かばなかったら、とりあえず愛するあの子に喫茶店で紅茶でも飲ませてくださいませね。
んで。話は戻ります。
冒頭の漫画描きさんにこの話をしたら、後日、「この間書き方聞いたしちょっと小説書いてみようかな〜」って言ってくださって、縦縞はフヒヒとなりました。
(尚、書いた作品は読めなかった模様)()
他にも縦縞なりのコツはあるのですが、長くなってしまうのでまた次の機会にしましょうね。
……あと私の小説読んで「いや台本になってるじゃねえか」って思っても生暖かい目で見守ってくださいお願いします何でもしますから……!
宣伝。
それでも「小説なんか書けるか!」というそこのあなた。
大丈夫。ならば短歌を書いて100人に1人の逸材になりましょう。
短歌の秋「光」 https://kakuyomu.jp/works/16818093086005024053
五七五七七でスパッと世界を切り取るのも気持ちが良いですよ。
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