私そもそもファンタジーについて勘違いしてる可能性
「ファンタジーを募集します!」
こういう自主企画、沢山ありますよね。
しかし読んでいくと、企画主が募集しているものが所謂「ナーロッパ」というか、「ドラクエか指輪物語みたいな世界観で、異世界転生とかチートとか異能とかが主人公で、魔法や魔物やダンジョンが出てくる世界観」にほぼほぼ限定してるのかな? という事があったりもします。
確かにファンタジーだけども、ファンタジーってもっと広いジャンルな気がする。
そもそもファンタジーってなんでしょうか。
某氏のエッセイで久しぶりに「後宮小説」というタイトルを見ました。読まれた方いらっしゃいますでしょうか。
これ、第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品ですが、私の記憶が正しければ、魔法も出てきませんし呪術の類も出てきません。
中国のある時代を舞台にして、架空の皇帝と架空の女の子達がなんやかんやするお話です。
私これ初めて読んだ時「歴史小説」だと思ってたんですよ。
後で色々調べて「えっこれファンタジーなの?」ってなった覚えがあります。
ちなみにめちゃくちゃ面白いのでネタバレは控えます。興味のある方は是非読んでください。
なるほど、ファンタジー小説とは「なんかふわっとした世界観のもの!」当時そう思ったんですね。
読めば分かります。なんかふわっとしてるけどしっかりしてるんです。だから歴史小説だと思ったんです。
さてさて。
そんなわけで私は「ふわっとした世界観」=「作者の独自性のある世界観」をファンタジー小説だと思っていたんですが、昨今の「ファンタジー文学の募集」を見ていて「あれ? 私勘違いしてた?」となりました。
魔法とか神獣とか出てこないとファンタジーにならないんかな?
Wikipediaより引用します。
“ファンタジーは、超自然的、幻想的、空想的な事象を、プロットの主要な要素、あるいは主題や設定に用いるフィクション作品のジャンルである。元は小説等の文学のジャンルであったが、現在はゲームや映画など他のフィクション作品を分類する際にも用いられる。
このジャンルの作品の多くは、超常現象を含む架空の世界を舞台としている。文芸としての「ファンタジー」は幻想文学と呼ばれるジャンルのサブジャンルでもある。”
なるほどなるほど。
んん? 「空想的」とか「幻想的」ってどういうもの?
“ファンタジーの定義は、曖昧であるが漠然とした傾向として、作品の魔法などの空想的な語彙(要素)が(現実的にはありえなくとも)内部(著者、編集者のみならず善意の理解者を念頭に置くことができる)的には矛盾なく一貫性を持った設定として導入されており、そこでは神話や伝承などから得られた着想が一貫した主題となっていることが挙げられる。 そのような構造の中で、ファンタジー的な要素はどのような位置にあってもかまわない。隠されていても、表面上は普通の世界設定の中に漏れ出す形でも、ファンタジー的な世界に人物を引き込む形でも、そのような要素が世界の一部となっているファンタジー世界の中で全てが起こる形でもありうる”
「空想」は魔法とからしい。呪術とかまじないとか祝福とかも入るだろう。
「幻想」は「神話や伝承などから得られた着想」なのかな?
ゼウス、サタン、悪魔、天使、八百万の神々、四神、そういうものだろうか。
「そのような構造の中で、ファンタジー的な要素はどのような位置にあってもかまわない」なるほど、全面的にファンタジーファンタジーしてなくても、どこかにあれば良いらしい。
んん?
でも後宮小説には魔法も呪術も出てこない……やはりファンタジーと違うんか?
と思いきや、後宮小説は実は全てが「幻想」で出来ています。
お話の中に出てくる史料や皇帝、元号、人物の殆ど(全部かもしれない……詳しい人誰かコメントで教えて)が「存在しないもの」なのです。
こりゃあファンタジーだわ。どう考えてもファンタジーだ。だって史実を元に(?)あたかも歴史モノですよという顔をした幻想なんですもの。
異世界に行かず、魔法や神獣やゴーレムやスライムが出てこなくても、ファンタジー小説はあると言うことですね。ちょっとほっとしました。
ステレオタイプな流行りのファンタジーが悪いとは言わないけど、そればかりをファンタジーと定義して募集するのは取りこぼしが多くてもったいない。
そんな事を考えた次第です。
ちなみに後宮小説はほんと面白いので是非読んでください。銀河ちゃん可愛い。
さてさて。
お陰様で、 第1回ルビーファンタジーBL小説大賞に投稿が出来ました。
作品をご拝読、ご感想をいただいた皆様、あらすじの書き方についてご協力をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
「かみさまのかるた 」https://kakuyomu.jp/works/16818093085866854240
高校生の男の子が江戸時代に転がり落ちて、生き神として軟禁され、自分なりに出来ることを探しつつ、不器用な宮司とままならない恋をする、シリアスでビターなお話です。
……これファンタジーだよね?
大丈夫? 私間違ってない? ほんとに大丈夫?
そんな不安な気持ちでいっぱいな今日この頃です。
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