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お昼寝から飾が目覚めると、そこでは霰と木陰が二人してまだお昼寝をしていた。
二人とも公園の太陽の光が照らす芝生の上で、とても気持ちよさそうに眠っている。
そんな二人の猫の耳としっぽを生やしている女の子を見ながら、二人はどんな幸せな夢を見ているんだろう? とそんなことが飾にはすごく気になった。
木蔭はどうやら(人間でいえば)十歳のようで霰や飾よりも二つ年下だった。霰はそれを聞いて「じゃあ、木蔭は私の妹だね」と本当にうれしそうな顔をしていった。(木蔭もうれしそうだった)
木蔭は無口で照れ屋なところがあって、さっきからずっと(本人は霰を守るためといっているけど、そうは見えなかった。むしと木蔭が霰に守られているみたいだった)霰のうしろかよこにずっとはりついて動かなかった。
二人が起きるとそのまま公園で夕方まで遊んで、(食べ物は霰が買ってくれた。買い物袋の中にはパンがはいっていた)暗くなる前に木立家に帰ることにした。
木立家の前でばいばいをするときになって、木蔭に帰る家がないことがわかった。すると霰は「なら、家にきなよ。私の妹なんだしさ」と言って木蔭を気軽に(飾のときのように)木立家に誘った。
木蔭はすごくよろこんでそのまま霰の妹になった。
霰と木蔭の(猫っこ)姉妹とばいばいをして、飾は一人、東雲神社に帰っていった。
幽霊が見えるということは悪い幽霊と触れ合ってしまう可能性がとても高い。(普通の幽霊が見えない人も悪い幽霊に取りつかれたり呪われなりすることがあるけれど、幽霊が見えたり、しゃべれたり、話せたりしたら、その危険性はとても高くなってしまう)だからなるべく霰を一人にしていては危ないと思っていたのだけど、木蔭がいればそんな心配はほとんどなくなると思っていい。(なにせ木蔭は霰の守護霊なのだ)
まあ、よかった。と飾は思う。飾が東雲神社に帰ってくると、空には星が輝き始めていた。
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